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A「翔くんお仕事なんだって。
それに今日はたーくんお泊り出来ないよって、言ったよね？」
Aさんがそう言うと、由希ちゃんの瞳があっという間に涙に濡れる。
A「また遊びに来てもらおうね。」
優しく頭を撫でられた由希ちゃんは、椅子から下りると辰実に飛びついて
「ま、また、きて、ねっ･･････」と、嗚咽を漏らしながらも健気に声を出す。
辰「また来るよ。」
辰実がそう言ったのを聞くと由希ちゃんは辰実からはなれて。
今度は俺の方へやってきて俺に飛びついてきた。
ま、まさか、俺まで？
小さな子供に抱きしめられて、戸惑った。
由希「･･････し、しょぉくんもっ、また来てくれるっ？」
戸惑う俺に、由希ちゃんは涙でいっぱいの赤い瞳で
一生懸命に言葉を搾り出してくる。
翔「･･････うん、また来るよ。」
俺がそう言うと、由希ちゃんは俺の膝に
顔をうずめて声を押し殺すようにして泣いた。
小学一年生のこんな小さな子供でも、
自分の気持ちを押し込めて、親の言う事を聞いて
うまくいかない現実に無理やり納得したりするんだな、なんて。
それってすごく寂しい事だけど、そういう現実はたくさんあるよなって。
そういうのを受け入れなきゃいけない時もあるんだなって。
なぜかこの時感慨深く、俺はそんな事を考えたりしていた。
そう、
どんなに譲れない想いがあったとしても
自分の気持ちを押し込めて、
うまくいかない現実に無理やり納得して
受け入れなきゃいけない時もあるんだって。
そんな事を
俺はぼんやり、考えていたりした――――――
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年2月23日 17時
