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松田陣平side
「本当にあいつら何者なんだよ」
「…確かにね。本当に爆弾処理班と組ませるなんて思ってもなかった」
そう呟いたハギは笑みを浮かべながらも目は当たりを警戒していた。
『松田、聞こえるか?』
「はいはい聞こえますよっと」
耳から聞こえてくる声に軽く反応する。
「付近にいた人達は今逃がしたよ。一応半径3キロは誰もいないかな」
『そっか、良かった。』
萩の言葉にAが安心したように息を吐く。
潜入捜査をしているからとはいえ、そちら側に染まらない彼女の正義に思わず笑みが零れた。
「…確かに英語で書かれた本の中だね」
「ここ千葉だけどいいのかよ」
『犯行声明文は警視庁に届いてたけどその内容は“日本の警察官”だった。つまり、範囲は日本全国なんだよ。』
「千葉県の夢の国のアトラクションになんて仕掛けられるのかなぁ…ここ荷物検査だってあるのに」
『…それは多分…』
「あれ、こんなところにぬいぐるみが落ちてる」
降谷が言いかけた言葉を遮るように萩が呟き、そのぬいぐるみに近づいた。
『萩原、それが爆弾だよ』
「っ?!」
諸伏の落ち着いた声が逆に怖かった。
萩は驚いたように足を止める。そして直ぐに当たりを見渡した。
そしてその紛れもない事実に2人して声が震えた。
「…待てよ…ここに、十体以上はあるぜ…!!」
『…っ、時限式なのか無線式なのかも私たちには情報がない。おそらく一体だけ、特徴のあるぬいぐるみがあるはず。そこにそのほかの爆弾のヒントがあるはずなんだ』
『だがおそらく、それを見たらほかの爆弾が起動するか最悪その場で爆発する』
降谷の声にぐっと息を飲む。
『やれるか?』
降谷の言葉は、疑問形のくせに確信を持っているような言い方だった。
「まずは解体だろ。やってやる。俺たちを誰だと思ってんだよ」
隣で萩が顔を揺らし、前髪を目元から退けているのが見えた。
「爆弾解体だけはテメェらより俺らの方が成績良かっただろ、忘れたとは言わせねぇぞ」
イヤモニの向こうで、三人が軽く笑ったのが聞こえたような気がした。
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いずみ - 夢主可愛い!😆 (2022年12月3日 12時) (レス) @page4 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 朱雀さん» 初めまして!!コメントありがとうございます!遅くなりましたが、本日より更新を再開させていただきます!! (2022年8月15日 20時) (レス) @page36 id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
朱雀(プロフ) - 初めまして!いつも作品読ませて貰ってます!大学生大変だとは思いますが、8月頃からの更新楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2022年6月4日 4時) (レス) @page37 id: 41c6b13a4c (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます!!自分のペースで少しづつになるとは思いますが、更新頑張りたいと思います (2022年4月27日 8時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - ふゆなさん» 初めまして!!コメント並びに応援ありがとうございます。まだまだ拙い所はありますが、これからもよろしくお願いします (2022年4月27日 8時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
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