警視庁公安部所属潜入専門捜査官【警察学校組】

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「緑川唯という偽名はそのままにして戸籍を作ったよ。君のセーフティハウスに連れていくといい」

「分かりました、ありがとうございます」



基本的に私たちは、裏との共同生活が前提で潜入捜査を始める。

そのため、偽名で借りている部屋は2LDK以上の部屋だ。

私はまだ若かったことと、裏の人数が足りなかったことがあって、私付きの裏はいなかった。

でもこれで景光が私付きになったから、書類整理とかものすごく楽になるなぁなんて考える。



「…じゃあ、連れていくから乗っていって」



景光は表向き死んだことになっている。

組織のメンバーに見られては不味いと後部座席に横にならせて、その上に布をかけた。



「ありがとう」

「いいよ、そのうち私がベルモットに変装術を聞いて、それを景光に施せるようにするね」

「それなら外に出られそうだね」



普通は裏が潜入捜査員の身の回りをやるんだけど、景光の場合は特殊だから、外には出られない。

…まぁ、完璧な変装をすることが出来たら、関係ないんだけど。



「そういえば、阿笠博士って人が喉に巻くだけで声を変えられるってやつを発明してたなぁ…買っとこ」



ストーカーに逢っている、とでも言えば買わせて貰えそうだし。

タートルネックでも着せれば多分分からないだろうし。

ちなみに裏である景光が私の動向を探るのは、首にシンプルなチョーカーをつけることになった。

そこには肉眼では捉えられないほどの小さいサイズのカメラと盗聴器が仕込まれている。

蜂楽の趣味の服装にも、ロゼの趣味の服装にも共通して似合いそうなのがそれだったため、選んだ。

メガネとかもあったんだけどね。

蜂楽はともかくロゼには合わないでしょ。

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