検索窓
今日:137 hit、昨日:2 hit、合計:51,302 hit

22. ページ23

千切豹馬side



“面白さ”を追求していくその背中が、何故か俺よりもデカく見えた。

身長なんて、絶対に俺よりも低いし、体格だってそうなのに。



「…あのアナリストと、何を話してたわけ?」

「…昔、僕を遠ざけなかった人が一人だけいたんだ。あの人は、その子に似ていて…まぁ実際本人だったんだけど!」



屈託なく笑う蜂楽の目には、懐かしい思い出が浮かんでいた。



「あの時はまだ、あんなにイカレてるとは思わなかったけどね」



にこにこと笑う蜂楽は少し読めなくて“そーかよ”とだけ返した。

人の領域にズカズカと入ってくるし、言い方だって人のことを考えたもんじゃない。

それでも俺は、間違いなくあいつの言葉に救われた。



「…なぁ」

「なぁに、千切クン」



にっこりと読めない笑みを浮かべて俺の方を向いてきた赤い目をじっと見つめる。



「…いや、やっぱりお前はアナリストなんだなって思って」

「千切クンは、これからもっと面白くなれるよ」



平川はそう言うと“じゃあ、引き分けを分かちあってきな”と告げて、俺たちの元を立ち去っていく。

どこかその一線を引く様子に、アイツらしくないのを感じた。

“面白そう”とか言いながら、顔突っ込んできそうなのに。



「千切!どうしたんだよ」

「…いや。なんでもない」

「あれ、平川もう戻ったのか?」

「みたいだな」



潔は“あいつやっぱすげぇよな”なんて言いながら俺の背中を押してくる。

…本当に、あいつは凄かった。

そのエゴに似合う分析力とそのエゴに似合う言葉(武器)を持っていた。



「…やっぱ、アイツは凄かったよ」



あいつは立場が違う(アナリスト)だからこそ、向き合って認められる。



「だから俺は、それを利用出来るフォワード(エゴイスト)になってみせる」

「…世界一になるのは俺だ」

「上等」



あの時、お前の言葉を受け入れて良かった。

あの時、俺の滾りを信じてよかった。



「…世界一のストライカーは、俺だ。」

23.→←21.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (114 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
361人がお気に入り
設定タグ:ブルーロック
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぴよ(プロフ) - (´・ω・`)さん» 訂正ありがとうございます!直しますね (10月8日 12時) (レス) id: 2be1d38fed (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - すみません…確か蜂楽の一人称は「オレ」だったはず…。それはそうとして面白いです!さすがはブルーロックを支持するアナリスト…イカれてますね!! (2023年4月7日 0時) (レス) @page24 id: d787175691 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 梨紗さん» こんにちは、コメントありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。作品の流れや色々との兼ね合いもあるので全てを訂正するのは難しいですが、ご意見参考にしたいと思います。 (2023年4月3日 21時) (レス) @page34 id: 2be1d38fed (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - こんにちは!拝見させていただきました!冴の口調に違和感あるのと、蜂楽は潔のことを君付けではないので修正していたがいいかもしれません! (2023年4月2日 4時) (レス) @page13 id: 61c40d9cc6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます!すみません気づきませんでした…!!直ちに修正します。ご指摘ありがとうございました! (2023年1月6日 11時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴよ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年3月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。