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▷翔太side
半ば、八つ当たりだったと思う。保健室から飛び出して、足を止めて振り返る。
当然、Aちゃんが追いかけてくることもない。ちょっとだけ、期待してた。だから、その分ショックていうか、なんというか。
「あーーもーー、屋上いこ」
3年生になってから昼休み以外に行くことはなくなった屋上へ向かう。
別に、咲良が今でも好きとかそういうのじゃない。でも、あんな簡単にやり直そうって。しかもそれにちょっとだけ揺れた自分が嫌すぎた。
俺もう咲良のこと好きじゃないよって、はっきりと、すぐに言えなかった自分が嫌すぎて苦しい。
Aちゃんのことが、好きなんだよって簡単には言えないからもっと苦しい。
目黒「何しょっぴー。珍しくない?さぼり?」
「は?ちげぇから。気分転換」
目黒「それさぼりっていうんだよ。笑」
けらけら笑って近寄る目黒。
まじで今は会いたくなかった1人だわ。
「お前いちごオレ好きだった?」
目黒「好きじゃない。けど、しょっぴーがAちゃんにあげようとしてたから。Aちゃんが好きなものは俺も好きになろうと思って」
この原因不明なもやもやをどうしたらいい?
八つ当たりまでして、Aちゃんを責めるような言い方して。
目黒「何あったか知らないけど。何で言いたいこと我慢してんの?」
目黒に優しくされても嬉しくない。
目黒に励まされても、全然嬉しくない。
だってこいつ敵だもん。
目黒「もたもたしてるなら俺本気で行くよ」
目黒「まぁ、俺は元カノにやり直そうって言われても揺れないけど。今の人に一途だから」
やっぱり、俺こいつやだ。
俺のことめっちゃえぐってくる。
「別に揺れてたわけじゃない。何も言えなかった自分にイライラしてるだけ」
目黒「じゃあそのまま言えばいいじゃん。そんで、素直に腹立ったこととか全部吐き出しちゃえばいいんじゃない?今まで我慢してたんだったら」
ほんとにごもっとも。
Aちゃんも目黒も同じこと言ってる。
俺何にびびってたんだろ。
別に、咲良に何か言ったとしても、逆に言われたとしても、俺は俺だ。あの時から時間も過ぎてるし、今は俺別な人のこと想ってる。
叶わない相手だけど、好きな人がいるよって、そう言えば済む話だった。
「俺ちょっと抜けるわ」
屋上からそのまま咲良の大学へ向かう。
よし、俺やっと決心ついた。急げ俺。
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ぴよまる(プロフ) - あぴいさん» ありがとうございます…!3Bってほんとに可愛くて…。たくさんの中から見つけてくださって、ありがとうございます!最後まで頑張りますので、待っていてください◎ (2021年1月28日 9時) (レス) id: c96c855ee5 (このIDを非表示/違反報告)
あぴい - お話拝見させてもらっています!チャラめな高校生の3Bにキュンキュン止まりません(T . T)幼なじみの康二も…最高です!これからも応援しています!頑張ってください^ - ^ (2021年1月28日 5時) (レス) id: 6fa25682e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよまる(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいですっ!読んでくださってありがとうございます!ぜひ渡辺くんを見守ってあげてください! (2021年1月24日 23時) (レス) id: c96c855ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 気になって、一気読みしてしまいました!!ドキドキキュンキュンが止まりません!これからも更新、たのしみにしています!! (2021年1月24日 8時) (レス) id: 6e1d4e84cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよまる | 作成日時:2020年3月5日 14時