○＊インディゴ ブルー＊○Part2【名前変換】

blue 72 ページ24

思わず嬉しくて シゲくんにはしゃいじゃった。



『私ね、嬉しいよ！

貴久の交友関係全然知らないから。



シゲくんが貴久の友達で嬉しい！』







加藤「そっか？(笑)」





こう言いながら


シゲくんの表情が曇ったのは

見間違いなんかじゃない






だって

そこからシゲくんは黙ってしまったから。









黙ってしまったシゲにちょっと気まずい空気を感じながら 2人並んで地下鉄に乗る。







最寄り駅に着き いつもの出口から外に出ると 土砂降りの雨。









え…今日そんな予報だった？？








さっきまで全然降って無かったじゃん。







『やだ……傘持ってないよ……』






軒先で呟く私に









シゲくんはやっと口を開いてくれた。








加藤「俺 折り畳みなら持ってるわ」






そう言いながら 斜めがけのバッグから折り畳み傘を取り出して 私に差し出してくる。







『え？』







加藤「俺 走って帰るから お前差して行けよ」







ふと 思い出す 貴久との記憶。






あの時も傘を忘れた私に 貴久は





”走って帰るから差して行って良いよ”




ニコッと笑って
私に傘を差し出して走って行ってしまった。



結局 雨に濡れた貴久は次の日熱を出して寝込んだんだよね。






『ダメだよ。走って帰れる程度の雨じゃないよ。

土砂降りだよ。この降り方尋常じゃないよ。

一緒に傘に入って行かせて？？』







加藤「………。




狭いけど…。


じゃあ アイアイ傘で行くか？」





しばらく考えてたみたいだけど、一緒に行くって言ってくれた。





『うん！！アイアイ傘しよ？』







シゲくんは 傘を開き 私の頭の上に差してくれる。








『ダメだよ 真ん中で差してよ。シゲくん濡れちゃうよ』








加藤「おう(笑)

まぁ 多少濡れても 冬じゃねぇし大丈夫だよ」








そう言いながら 歩き出した 私達。







でもね 貴久に遠慮してか傘の下で 微妙な距離の私達。







私の事はスッポリ傘に入れてくれてて



多少どころじゃないくらい シゲくんは濡れてた。





みんながシゲくんとくっつけようとした所為か



貴久の顔がチラついたのか






”もっと くっついても 良いよ”






今日はこの一言がどうしても言えず








右側だけずぶ濡れ状態のシゲくんにそのまま 傘を借りて








マンションの前で別れた。

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