【rd】きみへ。【呪鬼2】※完結済

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「こんなときに言うのもだけど、おれ、嫁いるのに最低だなって思うけど、これだけは、…言わせてほしい。」

「おれ、Aのこと、好きだったよ。いつまで経っても忘れらんなかったよ。今でも、ずっと好きだ。泣き虫なところも、苦手な勉強も一生懸命やってたことも、…自分だっておれと似たようなもんなのに、おれのこと、助けようとしてくれるとことか。ずっと、ずっと好きだった。」
「ほんとにもう遅いよ、ほんとうにもう遅いけど、…おれが伝えたかったのは、この気持ちだよ。」

「助けようとしてくれて、ありがとう、A。おれはもう、お前と生きては話せないし、もうこれ以降は会えないし、きっとお前の記憶からもおれは消えると思うけど、今日、逢えて嬉しかったよ。………おれはちゃんと、お前に救われてたよ。ほんとに、…ありがとう。」

『…そんなの、』

「…なに？」

『なんで、今になって、そんなこと言うの…ッ、わたしも、らぁくんのこと、好きだった、忘れられなかったからっ、結婚なんてする前に、あの世へ逝っちゃおうと、おもってた、のに…っ』
『やめてよ、らぁくん、いなくなっちゃうなんて、やだよ、もっと話したかった、もっと一緒にいたかった、一緒に、…できるなら、すこしでも、一緒に、生きていたかった、よ…っ。でも、でも…、わたしのこと、置いてっちゃうんでしょう？……………』

「…ごめん。」

『いや、いやだ、やめて、わたし、らぁくんがいたから、生きていられたの、つらいときは、らぁくんの言葉思い出して、自分を元気付けてたの、らぁくんがいなくなっちゃったら、どうやって生きてけばいいの、おしえてよ、ねぇ、らぁくん…っ、っう、ッ…………』

「………ごめん、ほんとに、ごめんな。………ばいばい。」

誰かがわたしを抱きしめたような感触がした。それも一瞬のうちに消えた。
もう、らぁくんの声は、きみの声は、聴こえない。

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