恋をしたのは王子でした (ページ24)

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・24話ページ24

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「はぁ...」

こんなの初めてだ。

お昼の衝撃のせいで午後の授業が全く頭に入ってこない。
そのせいか、何度も先生に注意される始末。

相葉が授業中に後ろからちょんちょん背中をつついてきて振り向いた瞬間に「コラ櫻井、前向け～」って注意されたり、相葉が消しゴム落としたから拾ってやったら「櫻井、何してるんだ」って怒られたり、.......

って！
これ全部、相葉のせいじゃねーか！！

「このやろう...」

しかしその相葉は今はいなくてこのイライラをぶつけられない。
相葉はHRが終わると一番に教室を出て部活へ行ってしまったから。

そして今教室にいるのは俺だけ。

窓を開けば外は運動部の掛け声で騒がしく、廊下に出ればどこからか吹奏楽部の演奏する音が聞こえる。
でもふと教室の扉を閉めればそこは、まるで俺ひとりだけの世界。

ひとり窓際の一番後ろの席に座りぼんやりと外を眺めてみる。
グラウンドにはサッカー部が丁度練習試合をしていて、赤と青のビブスを着けた部員達が５対５で戦っていた。

「あ、岡田先輩...」

岡田先輩は2人の相手チームに囲まれており、他の2人はディフェンスされていて動けない。

ん？2人？
岡田先輩は2人に囲まれてて、他の2人はディフェンスされてる、あとはゴールキーパーで...。
あともう1人岡田先輩側の奴がいるはずなのに。

ぐるりと周りを見渡すと、いた。
ひとり端の方でうずくまってる奴。

「あいつ、何してんだよ」

あいつ、もとい同級生の生田斗真は靴紐を結び終わるとヘラヘラと小走りで戻ってきた。
そのまま何事も無かったかのように試合に参加しているけど、岡田先輩に怒られやしないか…。

「あー、岡田くんじゃん。そんなに見てたらバレちゃうよ」

「うわっ！！」

突然聞こえた声にビックリしすぎて足をぶつけてしまった。
やっべ油断したやっべ！！

俺の机の前に来てニコニコとどこかいたずらっ子のように笑うニノに少しの警戒心を抱きながら見つめ返せば、なにか思い出したように一枚の紙を差し出してきた。

「そうだ、翔ちゃん」

「あ、」

「んふふ、俺嬉しいよ。やっと翔ちゃんがその気になってくれて」

そう言って出されたのは昨日書いた部活動希望と書かれた紙、のコピー。

いや流石に破ったりはしないよ…
書いちゃったもんは仕方ないし、

はぁ、これからどうなるのやら...

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