・21話 ページ21
.
「翔くんさ、分かってはいたけどニブチンにも程があるよ」
ピシャッと言われた言葉に、身体に雷が落ちたかのようなショックを受けた。
ニブチン、鈍感ってことか。
そういや雅紀にも言われたことあるな。
中学の時クラスメイトの女子に告白されて、全くそんな素振りなかったのになぁって雅紀にポロッと喋ったら、
『え、うそ気づいてなかったの？本当ニブチンだね〜』
そう言った雅紀はありえないとでも言いたげな顔で俺を見てきて、その後しばらくいじられたっけ。
あー思い出したらムカついてきた。
やっぱ雅紀には謝らなくていいや、ニノに冷たくあしらわれてろっ!!
っていかんいかん!!
どうでもいいこと思い出しちゃった。
また智くんに呆れられちゃう。それだけは避けたい。なんとしても避けたい。
しかし鈍いと言われた矢先、迂闊なことは言えないし…
どうしたもんかと智くんを見ればさっきの呆れ顔とはうって変わり、いつもの無表情に戻っていた。
呆れられるよりは全然いいんだけど、無表情は無表情で何考えてるかわかんなくて逆にこわい。
「翔くんさこの三週間、放課後何してた？」
「え、放課後？……部活の見学、かな」
「うん。じゃあ最初の二週間近く、何してた？」
「最初の二週間は、ニノに頼まれて演劇部の手伝いをしてたよ。智くんだって知ってるじゃん」
「うん、知ってる。それで他の部の見学はどれくらい出来た？」
「最後の一週間だけだよ。全くニノも人使い荒いよね〜」
そこまで言って、はたと気づく。
あれ、もしかして智くんがさっき言ってたニノのことって、もしかして
「そこまでくればもう分かるよね？いくらニブチンの翔くんでもさ」
「あ、あーそういうことね」
やっと理解。俺ってこんなに鈍かったっけ？
てか、あれは智くんの指示？だったのか。
もー早く言ってよね、智くんなら許せるのに!!
「って、えええええ!!?どういうこと??」
「翔くんうるさい、そのまんまの意味だろ」
「いや、は？てか何で智くんが……？」
「それ、は……」
智くんは何故か口をごにょごにょして、そっぽを向いてしまったけど、そんなこと気にしてられない。
あれがもし本当に智くんの指示なら、理由は何だ？
それにわざわざニノに頼んだのは何故？
分からない、やっぱり智くんは難しいです神様
チラッと表情を盗み見るけど俯いていて分からない。
でも何となく、悪い予感はしなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年4月18日 22時
