・19話 ページ19
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真っ白になった頭を無理やり動かして考える。
まさかとは思ったが、勘の鋭いニノのことだ、
結構前からバレていたに違いない。
現に今「いつ告るの？」なんてニヤニヤした顔で聞いてくる。
別に、俺は………
「もしかして、告らないつもり？」
「………ん、」
コクンと頷けば隣から何の遠慮もなく盛大なため息をつかれた。
俺だって言いたいさ、でもその後がこわいんだもん
結局俺は自分が傷つくのがこわいだけの臆病者ですよー
そんな俺の心情を知ってか知らずか、ニノは俺のスマホをぽちぽちとハンバーグみたいな手で弄ぶ。
って、!!
「ちょ、何してんの！？」
「いつまで経ってもグダグダしてる翔ちゃんに代わって、ニノちゃんがおーのさんに愛のメッセージを送信、」
「だぁー！！やめて、マジやめてっ！！」
今までこんな速さで人からものを奪ったことがないくらいの速さでスマホを小悪魔ニノちゃんから奪い取り、速攻でメッセージを消した。
ハハハ、ナメるなよ小悪魔、いや！悪魔め！！
人が折角築き上げてきた智くんとの関係を、こんなメッセージひとつで壊してなるものか！！
「……………ヘタレ」
ぐはっ！！
くそ、なんという破壊力………！！
俺の鋼の心をいとも簡単に壊すとは、侮れぬ……
「ねぇ、聞こえてんだけど
てか悪魔ってなんだよ、天使の間違いだろ」
「ゴホンッ………、とにかく！俺は演劇部には入らないから」
そこでタイミングが良いのか悪いのか、スマホから軽快な音楽が鳴った。
ニノに一言断りを入れ、電話に出ようとすると
『翔ちゃん今どこ！！ちゃんと写真撮ってくれた？ニノちゃんやっぱ見に来てくれなかったかなぁ……、てかてか最後のシュート見た？かっこよかったでしょ〜』
「かっこよかったですよ、あいばかの割には」
『え、』
雅紀が何か騒いでいたけど、そんなのお構いなしにブチッと通話を切ったニノは「んじゃまた勧誘しにくんね」と言って校舎へ戻っていった。
「か、かっけえぇ……」
流石校内イケメントップ3に入る男、二宮和也。
普段あんな可愛らしいのに急に見せる漢の姿にきっと女子達は惚れるのだろう。
俺にはあんな風にストレートに気持ちなんか伝えられないよ
伝えちゃったら、今度こそ戻れない………
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年4月18日 22時
