・15話 ページ15
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その日は珍しくニノに呼び出されなくて、ずっと行きたかったサッカー部へ見学に行った。
クラスメイトの生田斗真もサッカー部に入りたいって言ってたから一緒に行くことにした。
「なんだ翔くんサッカー部入りたいなら早く言ってよね〜、一緒に行けたのに」
「あ〜ごめん、いろいろあってさ」
あはは、と笑いながらグラウンドへ行けば、流石サッカー部。
やはり入部希望者は多く、俺達以外にも20人近くはいた。
「やば、サッカー部多っ」
「そりゃ一番モテる部活だからねー」
「は、」
「翔くんはマネ狙い？」
「…………はぁ？」
え、まって
まってまってまって？
俺そんなふうに見えてたの？
そんなチャラ男だと思われてたの？
確かに髪染めてるよ？茶髪よ？
最近暑いからシャツ第二ボタンまで開けちゃったりしてるよ？
いやでもそれプラス片耳ピアス開けてるお前の方がチャラ男だわ！！
ふざけんなや！！
こちとら必死に勉強してんじゃい！！
ノート見せてなんて楽してるお前と違って、
「あれ、違うの？」
「違ぇよ、俺は真面目にサッカーが好きなの！！」
好きなの、すきなの、すきなの………！！
という声がグラウンド中に響き渡った。
やばーい！！
やばいやばいやばいやばい！！
完全にやらかした変な奴だって思われた。
メンタルずたぼろ……
花の高校生人生、さらば
俺はもう、死んでいる………
「ふっ、あはは」
「え、」
後ろから豪快な笑い声が聞こえて振り向けば、
そこにはさっきまでサッカーをしていたのだろうが、尋常じゃないほど汗をかいているのに何故か爽やかオーラを放っている先輩がいた。
その先輩は軽やかな足取りで俺の方まで駆け寄ってきて、
「お前面白いやつだな！」
もうサッカー部には来れねぇ……
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年4月18日 22時
