・14話 ページ14
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「そういえば翔くん、部活どうすんの？」
いつものように智くんとバス停までの道を歩いている時だった。
言われてみればこの二週間、ニノに頼まれて演劇部の手伝いをさせられていたせいで他の部活動の見学は全くといっていいほど行けていない。
これは参った。ニノにまんまとやられた。
何かと用があると放課後呼び出されていたのはこの為だったのか……!!
櫻井翔一生の不覚。ニノの思惑に気がつけないとは……。
仮入部期間だってあと一週間しかないじゃないか!!
このゲームオタクめ、今日会ったら文句の一つや二つ……
「翔くん？」
「え、あぁ……どうしようかなぁって」
「まだ悩んでんのかよ」
「だって、ニノに演劇部の手伝い頼まれるからさぁ。他の部を見に行く時間が無いんだよね」
その時、ふと智くんが歩みを止めたから俺もつられて足を止めた。
少し俯きがちに俺の方を見るその顔が、なんだか悲しそうで、
「智くん？」
どうしたのと聞こうとしら先に智くんが口を開いた。
「演劇部は、いや？」
「え、」
寂しげな眼差しで見つめられ、目が逸らせない。
そりゃ、智くんのいる演劇部が嫌なわけじゃない。
裏方がいいと言えばニノだってそっちにさせてあげると言っていたし。
でも、でもそれだとダメなんだ。
それだと……
「いや、じゃないけど……」
「けど？」
「えと、その、」
じぃっと智くんに見られて余計に言いづらい。
ごめんなさい神様、僕はこんなにもヘタレです。
長年想い続けているこの気持ちだって未だに言えていないのに……。
「まぁいいや、まだ一週間あるしゆっくり考えなよ」
とふんわり笑ってくれる智くんに安堵して「そうだね」って笑う自分に嫌気が差した。
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年4月18日 22時
