・7話 ページ7
それから2人でハンバーグを食べて、
雑貨屋さんでお揃いのキーホルダーを買って
スクールバッグに付けようねって話し合って。
服を見たり本屋さんに行ったりして。
そのあとゲーセン行ってプリクラを撮ったんだけど、何故か私より二宮の方がノリノリだったり。
クレーンゲームでくまのぬいぐるみを不器用な私に変わって、二宮が取ってくれたりと、
今日1日本当に楽しかった。
そして今は帰る途中に見つけた公園で少し休憩中。
ベンチに2人で横に座って撮ったプリクラを見たりしてのんびり過ごしていた。
「ふふ、翔ちゃん今日は楽しかった？」
ふと聞かれて見た二宮は夕陽に照らされてとても綺麗で思わず見惚れる。
「うん、すっごく楽しかった」
そう笑えば二宮もそっか、と微笑んでくれる。
あ〜幸せだなって。
幸せってふとした時に感じるっていうけど、本当にその通りで。
ただ好きな人と一緒にいられるだけで、その人が笑ってくれるだけで幸せだって思えるの。
つい１ヶ月前の私には考えられないことが今、起きてる。まさか二宮と両想いだったなんて思ってもいなかったんだもん。
人の気持ちって言葉にしないと分からないものだね。
ちらっと二宮を盗み見れば、
視線に気づいてニコッと笑う。
急に恥ずかしくなって膝の上に置いていたくまのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて
思わず下を向けば
少し空いていた距離を埋めるように二宮が近づいてきて
「……翔ちゃん」
耳元で、緊張からか少し掠れた声で名前を呼ばれて二宮の方を見れば
ゆっくりと近づいてきて頬に手を添えられる。
私は瞼を閉じてそれを受け入れる。
一瞬の温もり、でもちゃんと伝わる
あたたかく、それでいて優しい
目が合って、二人して微笑みあって、
どちらからともなく手を握った。
...END...
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年3月6日 21時
