・4話 ページ24
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「今思えば運命だよなぁ」
「ふ〜、ろまんちっくぅ」
「うっさいわ」
いまだニヤニヤしている大野さんの頭を叩いた。
いってぇ、と少し涙目になっているがそんなもん知ったこっちゃない。
ちょっとムカついちゃったのよゴメンナサイ☆
「んで、いつから好きなの」
「そん時」
「え、一目惚れ？」
「…………。」
「おいこら、無視すんなって」
おーのさんがしつこいからまた叩こうとしたら今度はよけられた、このやろ。
「まぁ、翔ちゃんは覚えてないだろうけどね
その後すぐ友達に呼ばれて行っちゃったし」
「へー」
「はい、俺の話はもうおしまい
翔ちゃんもうすぐ帰ってくるかなぁ」
俺が携帯を開こうとするのと屋上のドアがギィっと錆びついた音を出したのはほぼ同時だった。
音のするほうを見れば急いできたのか肩で息をしている翔ちゃんがいた。
「あ、翔ちゃん」
「おかえり〜」
「ごめんね、待たせちゃって
ただいま智くん」
じゃあ帰りますか、と大野さんと一緒に腰を上げると、くすくすっと翔ちゃんが笑った。
何かと思って表情を伺えば、
「ふふ、なんか二人兄弟みたい」
大野さんと顔を見合わせて、暫し沈黙。
「実は……ね、」
「黙っててごめん、翔ちゃん……」
二人してふざければ我慢できないと言うふうに爆笑し始めた翔ちゃん。
翔ちゃんが笑うと俺も嬉しい。
それは俺だけじゃないようで、隣にいる大野さんも同じ、優しい顔して翔ちゃんを見てる。
やっぱり？と翔ちゃんもノッてくるから、三人でコントしながら帰った。
幸せだなってこういう時に思うんだ。
・・・END・・・
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年3月6日 21時
