『秘密の話』 ページ21
side.N
「なぁニノ」
「…………。」
「おいこら、無視すんなや」
「なんすか、今ゲームやってんじゃん」
只今屋上で大野さんと駄弁り中です。
何で屋上にいるか、それは数分前に遡る。
……………
起立、礼、ありがとーございましたー
やる気の無い掛け声のもと無事今日の授業も終わり皆部活やら何やらでぞろぞろと教室を出て行く。
そんな俺も例に漏れず家に帰る為帰りの準備をしていた。
そんな時、ポンポンっと優しく肩を叩かれ振り向けば俺の大好きな人。
「あのね、今日委員会でさ帰り遅くなるから先帰ってていいよ」
と俺にとっては何とも残酷な言葉を吐き出した。
え〜、ウソでしょ
今日は金曜日だからどっか寄り道していこうかと思ってたのに……
「ぇ、あそーなんだ……いいよ、俺待ってるから」
そう言えばクイッと眉毛を下げて困った顔をする。
きっと待たせるなんて悪いって思ってるんだ、この子は優しい子だから。
そんな翔ちゃんに俺はニコッと笑って見せて
大丈夫だと伝えた。
なんならスマホのゲームだってあるし。
それで何とか納得してくれたみたいで、翔ちゃんは終わったらすぐ来るからと教室を出ていった。
それから暫くゲームをしていたら、ガラッと後ろのドアが開いた。
翔ちゃん？……にしては早くね？
そう思いつつ振り向くがやっぱり翔ちゃんじゃなくて、代わりに立っていたのは俺らより一個年上なのにそうは思えないほど呑気な人。
「なんだ、おーのさんか」
「何だってなんだよ、ニノが寂しいかと思って来てやったんだろぉ」
「はい？呼んでませんけど」
「翔ちゃんに聞いたの、ニノ待たせてるから早く終わらせなきゃ〜って言ってた」
「いや、仕草まで似せなくていいから、後似てないからな」
それから他愛もない話をして、気分転換に屋上にでも行こうという話になり今に至る。
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年3月6日 21時
