『甘い誘惑にはご注意を』 ページ16
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「翔ちゃん！！」
ぼーっと窓の外を見ているといきなり後ろから両肩を引かれ、ぐぇっと変な声が出た。
風邪で休んでいたまーちゃんだが3日後には完全復活して変にテンションが高いから無駄に力も強い。
いてて、と肩を擦りながら体ごと後ろを向いて座り直す。
「な、なにまーちゃん」
「これ見て！」
とスマホであるページを見せられる。
スイーツフェスタ……？
「今度の日曜日、皆で行こうよ！」
「え、やだよ」
なんでよー！！と机をペちペち叩くまーちゃんが子供みたいでつい笑ってしまう。
拗ねてぶぅと唸っているが嫌なものは嫌だ。
だってもうすぐ女子の天敵、夏が来るのだから
今のうちからダイエットを始めないと
ただでさえ人より太りやすいんだから……
そのことを話せば、まぁね〜翔ちゃんはね〜と軽く冗談のつもりが真顔で肯定されて悲しくなる。
そりゃ食っても太らないアンタにはわかんないでしょうよ……！！
「でも翔ちゃん、夏まであと3ヶ月くらいあるよ？まだ大丈夫だって」
「そう、だけどさ……」
「なんの話？」
ふらっと当たり前のように会話に入ってくる
和也にまーちゃんが先程のページを見せる。
「スイーツフェスタ？」
「そう、まーちゃんスイーツ大好きだからさ。しかも食べ放題だし」
「へ〜、いいね」
その言葉にまーちゃんがなにか閃いたように食い気味に和也を見て
「二宮も行く？行くよね？翔ちゃんも行くから一緒に行こう！」
「はっ！？」
何を言い出すんだこの子は、
和也もなに「翔ちゃんが行くなら行こうかな」とか言ってんの！？
「ちょ、ちょっと待ってよ！私行くなんて一言も、」
「もう、何？まだ渋ってんの？」
「いや、だって」
「翔ちゃんの好きなチーズケーキもあるよ？」
「ん〜〜」
「おーちゃんも来るよ？」
「うそ、ほんと？」
「ちょ、そこでテンションあげんなよ」
結局スイーツフェスタには4人で行くことになって、あの後和也が拗ねちゃって機嫌直すの大変だったのは皆には秘密。
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年3月6日 21時
