・7話 ページ14
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「ここで食べよう」
バンっと大きな音を立てて開けた扉には『立入禁止』の文字。
「か、和也？ここ立入禁止、」
「だーいじょうぶ、大丈夫！」
そんなこと気にせずにずんずんと屋上へ入っていく二宮に、私はついて行くしかなくて
奥の方に先客がいて、二宮はその集団の元へ一直線。
2人で食べるんじゃないんかーい
え、てかここ屋上だし、たかっ
なんて思ってたら屋上の端っこ、下がくっきりと見えるとこまで来てしまいそうで
正直足がもう動かないよ！！
流石に限界が来て二宮の腕を振りほどく
「ちょ、ちょっと待って、やだ！」
いきなり大声を出した私に、腕を振りほどかれたことに、びっくりして今度は二宮がポカンとしている。
景色なんて見てられなくて思わずしゃがみこめば、ぽんぽんと頭を撫でられて
「ごめん、翔ちゃん。無理やり連れてきちゃって……」
「ちがっ、私高いところダメなの」
素直に話せば、えっそうなの？まじごめん！！と何度も謝られて、流石に可哀想になってきて
大丈夫大丈夫と今度は私が二宮の頭を撫でてる。
「私がちゃんと言わなかったのが悪いの、ごめんね」
「翔ちゃんは悪くないよ、俺が無理やり……」
「おーい、何してんの？」
向こうで弁当を食べていた斗真くんが様子を見に来たようで顔を上げれば、ぎょっとして
「おまっ、おい二宮、女泣かせんなよ！」
「え、いや、泣いてはな、」
「ごめんなコイツ悪い奴ではないんだけど」
「うるせーよお前、翔ちゃんが引いてんだろ」
溜まっていた涙が斗真くんに声をかけられたことにより顔を上げた拍子に流れたのだろうそれを、斗真くんは勘違いして二宮今言い争っている。
男って……と思っていればドタドタと足音がして、この音はまさかと思えば
「櫻井さ〜〜〜ん！」
背中に本日二度目の衝撃。
松本さんもうちょっと力加減考えてよ……
「なんだ、来るなら教えて下さいよ！今日会うのは二回目ですね」
語尾にハートが付いていそうだな
朝も思ったけどテンション高いな
「潤ちゃん、翔ちゃんには優しくしてよ」
さっきのを見ていたのか二宮がぷくっと頬を膨らませていた。
柔らかそう……
「さ、櫻井さん、痛いっす」
気づけば二宮の頬を触っていて、ぐいっと引っ張ていたようで慌てて離す
「ごめ、痛かった？」
「んーん、大丈夫慣れてるから」
慣れてるんだ、てことはよく触られるのかな
柔らかそうだもんなぁ、わかるわかる
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年3月6日 21時
