・2話 ページ2
実はまーちゃんには風間くんっていう彼氏がいて、その子は高校が違うからなかなか会えないんだって。
それで今度の日曜日に出かける約束しててその日にチョコレートケーキを作って持っていく予定だったから、ついでと言ってはなんですが私も二宮のために一緒に作ることになったのです。
が……、
「まーちゃん、生クリームこれでいい？」
「まだまだ！角が立つまで混ぜるの！」
と生クリームに苦戦しております。
生クリームと戦って5分。
やっとまーちゃんからもお許しが出て、まーちゃんが焼いてくれたスポンジにチョコクリームを、思いっきり塗りたくります。
「あぁ、お腹空いた〜」
ちょっと、クリーム食べても……
「あいたっ！」
「もう、食いしん坊なんだから！ちょっとは我慢しな」
叩かれた右手を掴まれて、いつの間に用意したのか私の手におにぎりをぽんと置いたまーちゃん。
「うんめぇ！やば、まーちゃん超うまいよ！」
「ただの塩おにぎりだよ。てかそのうんめぇ！っての二宮の前ではやめなよ？」
「ん、なんふぇ？」
大げさにため息をつくまーちゃん。
な、なによ。しょうがないじゃん、うんめぇんだもん
「翔ちゃん、女の子なんだから。わ、おいしい！とかあるでしょう」
「な、なるほど……」
「二宮好みの女の子になるんでしょ？」
そっか、そうだよね。
うんめぇなんて女の子が言ったら可愛くないか。
よし、
「師匠！これからもついていきます！！」
「はいはい、頑張りたまえ〜」
こんな調子でなんとかワンホール作り上げ、まーちゃんに綺麗に切ってもらって。
何もやってない？
いやいや、私は最後に粉砂糖をちゃんと振りましたよ！
そしてこれは勝手なイメージなんだけど、二宮は黄色かなって思って、黄色のリボンでラッピングした。
「できた…」
「うんうん、上手く出来たじゃん」
それから余りを二人で食べて、それでも余ったから智くんにあげることにした。
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作者名：クマアラシ | 作成日時：2018年3月6日 21時
