両想いという名の片想い【番外編】 (ページ1)

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『君と休日』ページ1

二宮と付き合ってから初めての土曜日。

何故か今、まーちゃんの家でお菓子作りをしています。

何がどうしてこうなったのか。

事の発端は、私と二宮が晴れて恋人同士になった次の日のこと。

…………

「ねぇ、翔ちゃん。俺にもチョコちょーだいよ」

それは帰り道の途中、二宮に突然言われた一言だった。

「は、」

いきなりそんなこと言われるとは思っておらず、頭の中で整理する。

俺にも、チョコ、ちょーだい？

「え、なんで私？」

そう問えば、心外だとでも言うような顔で繋いでいた手がだらんと離れて落ちた。

「え、なんで？なんでってなんで？だって俺ら恋人じゃん？普通彼氏にはチョコ渡すでしょ？」

「そ、そうかもしれないけど。バレンタインはもう終わったし、みんなからいっぱい貰ったでしょ？」

まじかよ……と呟き肩を落とす二宮。

あれ、私なんか変なこと言ったかな？
でもバレンタインは終わったし、渡す必要なくない？

ということをまーちゃんに話したところ

「あんた、バッカじゃないの？！二宮だって本命にチョコもらいたいに決まってんじゃん！」

と怒られ、今に至るのです。

「こら、ぼーっとしてないで手動かす！」

「は、はい！」

今はまーちゃんと一緒にチョコレートケーキを作ってます。