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『砂は我らと共にあり』


我ら砂の民。
その血はヒカルにも流れている。

だから、ひとり強くあらねばならない。


「だけどヤブは本気だ……。王様なのに、オレだけそばにいさせてさ、そんなの良くないに決まってんじゃん。ダイちゃんだって本当はそう思ってるでしょ? ダイちゃんだってお城の偉い人だったんだからさ」


いやそれは……、と、ダイキは口籠る。


「そのうちにお妃様と結婚……とかになるでしょ? その時オレはどうしたらいいの? あの部屋でヤブだけに守られて何もせずに生きてたら、その時オレはもう何もできなくなっちゃうよ。だったら今離れた方がいい。ひとりで生きていく方がいい……」


ずっと、そう考えていた。
ヤブの役に立ちたい。
ヤブと出会い、陥れる作為をし、それが間違いであると分かった時からヒカルはずっとそう考えていたのだ。

ヒカルは生きることに必死で、それ以外の何かに一生懸命になったことなどなかった。
なのにヤブは国を追われてもなお国の為に、両親の仇を取る為に必死だった。
ヒカルはその眼差しの強さに夢中になった。
まさかヤブがそんな自分を愛するようになるとは思わなかったけれど……。

ともかくヒカルは、ヤブのためならばなんでもする覚悟だったのだ。
それが自ら身を引くことも含めて。


「ヒカルはヤブのこと、本当に好きなんだねぇ」


俯いていたヒカルが顔を上げると、イノーが今まで見たことがないほどに優しい笑顔を浮かべていた。
思わず目頭が熱くなってしまう。

そうだ、オレはヤブが好きだ。こんなにも誰かを大事に思ったことなんて、お母さん以外にない。
だからこそ、ヤブには誰よりも立派な王様になって欲しい。


「……ご、ごめんね、ふたりの邪魔して。どこか大きな街に連れてってくれたらいいよ。そこで仕事探すから」

「またスリするのぉ?」

「い、イノーちゃんっ」



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SK329(プロフ) - なえさん» ありがとうございますっ!ソース入れ、きっと夢心地な乗り物でしょう(乗り物?笑)最近ご本人たちのプロデュースがまるで二次創作なので負けないようにこれからもがんばります笑 (2021年7月22日 11時) (レス) id: 56bbba7c64 (このIDを非表示/違反報告)
なえ(プロフ) - 遅くなりましたが、完結おめでとうございます。ハラハラドキドキしながら読んでいました。ソース入れでの世界ではきっと楽しく過ごしているんだろうなぁ。素敵なお話ありがとうございました。 (2021年7月20日 19時) (レス) id: 1437478d94 (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - ひーさん» ありがとうございますっ!ソース入れの中はきっと部屋も別れていて快適でしょう笑 裏も開始しましたので、楽しんでいただけると嬉しいですっ (2021年7月20日 10時) (レス) id: 56bbba7c64 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後の妖しげな雰囲気にドキドキしましたが、イメージされた曲のように二人は足跡も残さずに幸せに旅立ったんですね。裏も楽しみにしてます♪ (2021年7月16日 12時) (レス) id: a9133940c3 (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - ずみさん» ありがとうございますっ♪ 終わり方褒められるの嬉しい…(*/ω\*) 魔法の世界だから永遠はあるのです!笑 裏もがんばりますっ (2021年7月13日 15時) (レス) id: 4bd0a1eb37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SK329 | 作成日時:2021年6月10日 14時

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