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(リョウ)が炎を吐き騎士達を蹴散らしてから地面に着地し、5人はその背に乗り込んだ。
竜は軽々と空に羽ばたき、城を旋回する。

城の庭で弓隊が竜を狙うが届かない。
ヒカルがヤブに手助けされながら竜の背を怖々と這い、ユーリに近づいた。


「塔まで近づけるか? ちょっとやり残したことがあるんだ」

「いけるよー、そこまで弓隊は来てないし。リョウ、頼んだよ」


ユーリがリョウの首根っこをそっと撫でると、竜はひと吠えして塔に近づく。
ヒカルはヤブの手を握りながら、ちらりとイノーを振り向き、イノーがコクリと頷いたのを見てから左手を掲げた。


「……オレらは生まれた時からあの塔に閉じ込められ、姫を演じてきた。国の為に、王の為にそうすることが正しいって信じ込んでいた。すべて父が権力の座にしがみつきたいだけの理由だったのに……そのせいでヤブやユウヤのお父上やその他の家庭教師まで犠牲に……
もう塔はいらない。オレたちはあそこには二度と帰らない」

「やっちゃえヒカルぅ〜! 結婚式で塔には誰もいないしねぇ〜」


イノーが陽気に声援の声をあげ、ユウヤもダイキもピーピーと指笛を吹かす。
ヒカルの左手が金色に染まり、そして手のひらから発生した雷が塔に落ちた。
崩れるほどの衝撃はないが、最上階の部屋からは煙があがる。

ふたりがこれまでの人生を過ごしていたリビング。
もう二度と帰らない場所。

そして竜が続けて炎を吐き、塔は炎に包まれた。
その炎を背後に竜はさらに天高く舞い上がり、一気に城を離れて飛び去っていく。

魔の山へ向けて。



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SK329(プロフ) - ずみさん» コメントありがとうございますっ!やっぱり男子が良いですよねぇ、ドレス姿になるにはいつも羞恥が欲しいです笑 まだなにも浮かんでませんが、次またファンタジーやったらまたまた雷になりそうな予感があります笑 (2019年12月11日 11時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - 完結おめでとうございます!sk329さんのファンタジーは毎回ワクワクさせるもの。雷の設定がだいすきです。やぶひかは男にしてくれてありがとう! (2019年12月10日 1時) (レス) id: 61e430b579 (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - なえさん» コメントありがとうございますっ!dkwk嬉しいですっ物語が破綻しないで良かった(*´∀`*) 続編もよろしくお願いいたしますっ (2019年12月9日 13時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございますっ!雷、なんかイメージに合うんですよね!火より雷。単に黄色だから?笑 双子設定も楽しく書けたのでそう言っていただけると嬉しいですっ。続編もよろしくお願いいたしますっ (2019年12月9日 13時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - しろくまさん» ありがとうございますっ!父と子…確かに。でも気づけば勝手になんです、多分書きやすいのです笑 王国は明確にモデルいましたが、かごめと今回は単にやな奴ですね汗 そしてパレード、ラストの竜のとこ恐れ多いけれども合う…と思ってしまいました汗 (2019年12月9日 13時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SK329 | 作成日時:2019年10月8日 16時

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