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王が親衛隊に檄を飛ばす。
その時、祭壇脇にある大きな洗礼盤が波打ち、それをちらりと見た大司教が突然ヒカルを横抱きに掴むと、洗礼盤に駆け寄った。
「なっ、」
洗礼盤の水が溢れ出し波打ち、明らかに意思を持ってうねり出す。
そして溢れた水はふたりの身体を持ち上げて頭上高くせり上がり、天井まで届く巨大な水の柱となった。
柱の上から�狢膸紛記瓩�冷静な声で呼びかける。
「王よ。罪無き者を殺め、我が子らを苦しめ続ける罪の王よ。もういい加減諦めたらどうだ。お前の欲しいものは決して手に入らない」
「き、貴様っ大司教ではないなっ！？ 何者だっ！！」
「……司教、さま……いや、おまえは……」
大司教が再びニヤリと笑う。
老いた顔に似つかない、得意げな顔で。
「そうだよヒカル。オレだよ。迎えに来たぜ」
「ヤ……、ヤブっ！？」
親衛隊が水の柱を剣で斬りつけるがなにせ水。なんの手応えもない。
クスクスと笑い声が水の中からするばかりだ。
大司教は――ヤブは、ヒカルの頬に軽く口づけすると、懐からなにかを取り出した。
気づいた者が声をあげる。
あれは金の林檎――――っ！？
「そ。実はもう一個ありましてね、金の林檎―――さぁ、願いを叶えてもらおう。ここにいるすべての人を、真実の姿に――――っ！！！！」
叫んで林檎を潰す。
潰れた林檎は一瞬で欠片となり、キラキラと雲母のように教会へ舞い散った。
輝きが酷く眩しい。みなが目を閉じ顔を覆う。
やっと輝きが収まり顔を上げ、そして最初に悲鳴を上げたのは、貴賓席に座っていたある伯爵令嬢だった。
隣にいたはずの�狒�いでいた令嬢�瓩�、マント姿の男になっている！
「あはは、ごめーん。美しいお嬢さん、驚かせちゃったねぇ」
そう言って令嬢の手を取り、挨拶の口づけをするのはユウヤ。
令嬢の頬が真っ赤に染まる。
次に悲鳴が上がったのは、親族の席だった。
王の隣にいたはずのケイ姫が、軽装の男性に！
「あらあら、オレまで元に戻っちゃったじゃん。やっばいね、父王陛下。言い訳できないくらいにバレバレ〜」
そう言ってニヤニヤ笑う。
王は蒼白で、背後の公爵が睨み付けている。
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SK329(プロフ) - ずみさん» コメントありがとうございますっ！やっぱり男子が良いですよねぇ、ドレス姿になるにはいつも羞恥が欲しいです笑 まだなにも浮かんでませんが、次またファンタジーやったらまたまた雷になりそうな予感があります笑 (2019年12月11日 11時) (
レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - 完結おめでとうございます！sk329さんのファンタジーは毎回ワクワクさせるもの。雷の設定がだいすきです。やぶひかは男にしてくれてありがとう！ (2019年12月10日 1時) (レス) id: 61e430b579 (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - なえさん» コメントありがとうございますっ！dkwk嬉しいですっ物語が破綻しないで良かった(*´∀`*) 続編もよろしくお願いいたしますっ (2019年12月9日 13時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございますっ！雷、なんかイメージに合うんですよね！火より雷。単に黄色だから？笑 双子設定も楽しく書けたのでそう言っていただけると嬉しいですっ。続編もよろしくお願いいたしますっ (2019年12月9日 13時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
SK329(プロフ) - しろくまさん» ありがとうございますっ！父と子…確かに。でも気づけば勝手になんです、多分書きやすいのです笑 王国は明確にモデルいましたが、かごめと今回は単にやな奴ですね汗 そしてパレード、ラストの竜のとこ恐れ多いけれども合う…と思ってしまいました汗 (2019年12月9日 13時) (レス) id: f6c245c48e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SK329
| 作成日時：2019年10月8日 16時
