若きオイディプスの悩み

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もう一枚テーブルに置く。
なんだ？ 名前がいっぱい書いてある……戸籍謄本？

でもそこにあるべき場所にはコウタの名前もヒカルの名前もない。
最初の項目にはコウタのお父さんとお母さん、つまりじーちゃんとばーちゃんの名前が………。

子供の欄にはコウタ――と、え？ オレ？
養子って書いてあるけど……？

え？


「リョウスケと養子縁組みしたのはオレの両親なんだ。つまり法的にはオレの弟ってことになるな」

「なんでそんな……え、ヒカルは？」


ヒカルはずっと黙ったまま、ポロポロ涙を流してオレを見つめている。

え、これで見るとコウタはずっとじいちゃんの子のまま……
っていやいや待て待て。

なんでふたり結婚してないわけ？
オレはともかくコウタの名前ここにあるのおかしいだろ。

ヒカルはなんなの。

つーかそっちに腹立ってきたんだけど。


「オレが養子なのは夢の通りだと実の母親になんか問題あったって思うんだけど」

「そう…。そうだな」

「じゃあヒカルは？ なんでコウタと結婚してねぇの。オレのことは置いといて、それ酷くない？」


ちらりとふたり、互いを見つめる。
コウタが両手で目尻を拭ったヒカルの手を握って、強く頷いた。

昨日の騒動から忘れてたけど、そもそもコウタの浮気疑惑急に思い出した。
なにこれ、ずっとこうやって仲良し見せてたのも嘘だったのか―――、


オレの湧き上がった怒りをよそにヒカルの、コウタに握られてない左手がゆっくり上がる。

そして自分の髪に触れる……


「――――え、」


んんんん！？！？
ズルッと髪抜けた！？

ってそれズラっーーーーー！？！？！？


ズラの下から出てきたのは短めの茶髪。ってあれ？ その髪型……。



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