若きオイディプスの悩み

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昔ばあちゃんとじいちゃんは歩いていけるとこに住んでて、ヒカルが仕事で出かける時には良く預けられてた。
優しんだよなぁふたりとも。

でもオレが中学の頃田舎に住むのが夢だったって、娘であるところのおばさんの嫁ぎ先の地方へ引っ越ししてしまった。
年一くらいは会いに行くけど遠いから今すぐはなぁ。

ヒカルの方は全然だ。
一度聞いたことあったけど、その時ヒカル泣きそうな顔して……それで二度と聞くのやめたんだよな。

あ、でも。


「昔からの知り合いってか友達ならいるな。あのふたりの片方なら口軽そう」


自分で連絡できるような仲じゃないけど、ちょいちょい来るからそのうちチャンスもあるだろう。








と思ってたチャンスは意外と早く来た。

その週末土曜の朝、遅く起きたら階下から元気な声が聞こえる。
まさにそのふたり、だ。


「だーから言ったわけよ、オレはイノちゃんに！ そうやってオレをハブにするのなしにしてよってさぁ！」

「置いてったのはひどいよねぇ」

「ハブなんかオレがするわけないじゃ〜ん、だって全然休み取れないんだもんダイちゃん〜。だからしかたなく会社の後輩誘ってさぁ……ねぇヒカルぅ。もうダイちゃん妬いてるんだよ、ホントオレ愛されてると思わないぃ？」

「ちょ待てこら。そーゆーこっちゃねぇんだ、――、おおリョウスケおそよう！ 土曜はねぼすけかぁ」


リビングに入るとちっこい元気なのがひょいってオレに手を挙げた。
そして隣にもうひとり。


「おはよう。ダイキにイノーさん、いらっしゃい」

「おおぃい、なんでオレ呼び捨てでイノちゃんだけさんなんだよっ！」

「だってダイキはダイキじゃん。イノーさんはイノーさん」

「だよねぇリョウスケ〜。わかってるぅ〜」



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