1、日常 ページ3
ここはネフ王国。
光の国と呼ばれていて、国の中心部『天の塔』を囲むように白と青を基調にした街並みが続いている。
Aは、本を抱えて、『天の塔』の長く白い廊下を、のんびりと歩いていた。
窓から降り注ぐ朝日があたり、Aはまるで発光しているかのように、柔らかく光っていた。
そんなAの後ろからは、体を引きずるようにして、汗をびっしょりかき、息が荒れている少年達が歩いている。
この少年たちは、たった今鍛錬を終えて部屋に戻る、チーム・サファイアに入りたいと志願した生徒達だ。
チーム・サファイアとは、ネフ王国の平和を守る、世界でも有数の実力を誇る戦士のことで、周りからはキラーと呼ばれている4人からなるチームだ。
Aは、そんなチームサファイアの一員でもあり、また、この国の平和の要となる運命の少女であった。
「Aさん、なんで息もあがってないんだ…?」
「確かに、なんでこれだけの人数を相手して、鼻歌まじりに歩けるんだ…?」
「俺たち、10対1にしてもらってるのに、このありさまだぜ…?」
「強すぎる…」
「化け物だ…」
後ろでひそひそ話している少年たちを振り返って、Aはにっこりと言った
「どうした?まさか、あのたったの30分でも、動けないくらい疲れちゃったのか?私、今日は舞ってないんだが?情けないな…」
「当たり前ですよ、Aさんが本気で舞ったら、俺たち全員死んでますって」
「でも、一回見てみたいんですよねぇ、本気の『剣の舞』」
そう、Aは『剣の舞』の能力を持っている。
これは、世界でAしかできないもので、簡単にいうと、両手に剣を持って振り回すことだ。
しかし、これがとても強い。
Aだけでなく、チーム・サファイアのメンバーは、みんな自分にしかない能力を持っている。
A「おまえら、もう少し能力を強くしないとな… せめて、能力使ってない私をボコボコにできるくらいには?」
「いや、Aさん、能力使ってなくても十分強いですよ…」
「なんであんな動きしてて、汗すらかいてないんスか…」
「やっぱり化け物だ…」
A「17歳のか弱い乙女に言うことじゃないけど、ほめ言葉としてとっておくな♪
」
意味のない無駄話で時間が過ぎていく
いつものように、楽しい1日がくるはずだった
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作者名:ぴよ | 作成日時:2014年7月3日 20時