特技 : 胸きゅん【青】 (ページ19)

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安「じゃー…どーゆーのがタイプっすかー？」

えっと、、、？

え、こういうのって急に浮かばなくない？

いや、ね？

松下とだったら『安田君(はぁと)』って答えたり、

女子とだったら

『イケメンで優しくて頭良くて運動神経抜群で面白くて…』『欲張りすぎでしょ笑！』

っていうやり取りに持ち込めるんだけどね？？

引かれない程度で、“好きなタイプ”…

全く思いつかなくて、しばらく無言でいると安田君は困ったように頭を掻いて、謝った。

安「すみません、変な事聞いて。あ、ここ最寄りなんで…では」

「あ、……ぅん」

慌てて思い出したみたいに降りて行った安田君。

嘘だ、あれ。

安田君と乗り合わせた時、私より先の駅じゃなかったもん。

私が先に降りてたし。

安田君、私より後の駅が最寄りでしょ？

うわ、やっちゃったよねコレ

絶対、気ぃ使わせちゃったよね

……いやでもさ？？

よく考えてみたらさ？？

私のタイプぐらい聞けなくても、どうでもよくない？？

自分で考えて悲しくなるけどさ、少女漫画の脇役みたいな私のタイプなんか知ってどうなる？

あ、このシーンを見てヒロインが傷付いてまた二人の仲が…みたいなそんな感じ？？

自分の無駄に働く頭が嫌になる。

いやマジで、こんな時じゃなくてテスト中に働けよ私の頭！

数学のテストの出来よりも、安田君に嫌われたか心配になりながら、電車を降りた。

無人駅なのよね、私の最寄り駅。

田舎すぎて引いちゃうよね

田んぼばっかで面白味のない道を歩いて、帰宅、悲し。

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