story4 ページ6
「・・・ネフェル、ピトー」
憎憎しげに私はその名をつぶやいた。
「おやおや、さすが聴覚はよろしいようですね」
「・・・なんであんたが?」
きつく切り返す。すると彼は恐らく笑っているのであろう様子で
「いやいや散歩をしていたらたまたま貴女の声が聞こえてしまったものですから」
とだけ答えた。
本当に気味の悪いやつだ。何を考えているのかすらわからない。
「それで、月の色はね」
訝しげな表情をしていたであろう私に、奴は唐突に話題を変えた。
「今日は綺麗な色をしています。澄んだ、真夏の夜に栄える輝いた色。そうだな・・・貴女みたいな色をしている」
ふふ、っと笑いを漏らしてそういう。
ーーーそして、不思議な話だが、そのときだけは別段その言い回しが嫌味には聞こえなかった。
「・・・私みたいな?」
「お気に召さない言い方でしたら申し訳ない。しかしながら貴女に固有名詞の色は頼りにならないものだと思ったので」
きっと彼はへらへらと手でも広げているのであろう、そんな言い方をした。
「・・・いいと思う、それ」
自然にするりと言葉が出た。
「あれ、貴女が褒めるなんて珍しい。なにせ普段は取り合ってもくれないものですからね」
こいつ。
なんだか事実なのに、少しその言いようにまた腹が立って言い返す。
「死にたいの?この部屋、毒物ならいっぱいあるけど」
「おお怖い。さすがはザ・ウィクターといったところでしょうか」
・・・やっぱり気に食わない。
怖い、なんて微塵も思ってないくせによくもまあそんな口がたたけるものだ。
まったくもって腹立たしい。
「冗談。あんたを殺したらここにいられなくなる」
「貴女がいうと冗談に聞こえないですから、余計に怖いですね」
「どの口が言う。本気で殺されたいの?」
「まさか」
ああもう、本当に嫌いだ。
自虐的な笑いを起こしていたさっきまでの私はどこへやら、こいつのせいで怒りも何も吹き飛んでしまったではないか。
こいつ、そうネフェルピトー。
不思議な話だ。顔も知らぬ相手にこんなに私が狂わされるなど。
そう、顔もしらない。
「ねぇ、あんたってどんな顔してるの?」
無茶苦茶な質問であることくらいわかっているが、なんとなくそう聞いてみた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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時雨 - ピトーは男か女か、未だに分からない。 でも、男だよね? (2016年1月24日 17時) (レス) id: 65efd23b14 (このIDを非表示/違反報告)
猫宇森(プロフ) - はじめまして! とても続きが気になります。更新頑張ってください。 (2015年4月3日 13時) (レス) id: eb7e86579a (このIDを非表示/違反報告)
なめくじ - ピトーたん!可愛い!カッコいい! (2014年1月11日 1時) (レス) id: b2e3e17dac (このIDを非表示/違反報告)
ニア - わぁーっ!続き気になります!頑張って下さい!!(*´ω`*) (2013年12月27日 0時) (レス) id: 3743a2162d (このIDを非表示/違反報告)
如月@虹赤ください(プロフ) - ひなPさん» ピトーーーーー!←コメントありがとうございます! (2013年12月4日 23時) (レス) id: a98bf13936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルア | 作成日時:2013年3月5日 22時