chaosと書いてケイオスと読む～短編集～ (ページ10)

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もし、ムオンが日常生活を送っていたら② ページ10

放課後…俺の心は少し痛んでいた。フェンの『好きな人はいないか？』という質問に嘘をついてしまったからである。
そう、俺にも好きな人はいる。
そいつは、校内で1,2を争う美少女である「マナちゃん」だ。マナちゃんは凄い清楚で、彼女が髪をひとかきするだけで、耐性のない男は倒れてしまう程である。そして彼女を好きなのは俺だけではない……フェンもそうだ(前にそういうことを話していた)。
だから、俺は『いない』と答えた。俺より頭のいいフェンの方が彼女にお似合いだと思ったからだ。
(俺とフェンは、女子の中で人気…らしい)
俺はそういうことを考えながら帰路についた。

翌日
フェンに『昼休み、屋上に来い！』と言われたので屋上に向かった。
屋上に出ると、そこにはフェンじゃない人がいた。マナちゃんだ…
マナ「話ってなに？」
ムオン「えっ！いや、俺はフェンに呼ばれて来
たんだけど…」
マナ「私もフェン君に言われて…」

あのやろう、知ってたのか…。

マナ「なら、フェン君が来ないと何もできない
ね…」
ムオン「多分だけど、フェンは来ないと思う…」
マナ「えっ！？何で？」

言うんだ俺…

マナ「じゃあ、来ないんだったら帰るね。家の
手伝いをしないといけないし…」

今言わないと、いつ言うんだ？

マナ「それじゃ、じゃあね。」

覚悟を…決めろ！！

ムオン「あ、あの！」
マナ「え？」
ムオン「お、大きな夕日だね(汗)。」
マナ「う、うん。そうだね。きれいだね。
それじゃ。」

何をビビる必要がある？親友がつくってくれたこの機会を無駄にするつもりか？

いや、しない。するわけにはいかない。
早く伝えなきゃ…俺の…思いを…

ムオン「あのさ！」
マナ「なに？」

次こそ…

ムオン「お、俺と…」

伝えるんだ…

ムオン「俺と…

付き合ってください！」
マナ「…………。」

あぁ、困ってる。やっぱり嫌だったのかな？

マナ「いいよ…」
ムオン「えっ！？」
マナ「だから、いいよ。付き合っても。」
ムオン「えっ…何で？」
マナ「実は、私も貴方のこと好きだったんだ…
だから、貴方が来たときビックリしちゃ
った。」
ということは…
マナ「私にも言わせて。私と付き合ってくれま
すか？」
僕は大きな声で返事した。
ムオン「は、はい！」