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 訝し気な瞳を跳ね返すように、青年の瞳を強くみて言い返す。先ほどまで震えていた声は……まぁ、相変わらず震えていたままだけど、疑われている場合には強い意志を持って言い返すに限る。
 青年の苗色の瞳は、驚いたように揺れていた。どうやら、私がこういうタイプだとは思わなかったらしい。でもすぐに持ち直して、青年は立ち上がった。

「あ〜、それなら仕方ないな〜っと」

 わざとらしく、青年が笑う。青年は私を見て、なぜかもう一回しゃがみ込んだ。そして、ゆっくりと話し出す。

「……因みに聞くとさ、君、俺のこと人間じゃないって思ってるでしょ?」

 青年の目が、楽し気に細められて笑っている。言われた言葉にも笑いが含まれていて、随分と私の反応が面白いようである。何が何だかさっぱりわからないため、やけくそで頷く。
 すると青年はやっぱりねと言わんばかりの表情で笑い始めた。なんだかムカつくが、初対面からほぼ時間がたっていないので、感情を抑え込む。青年は一頻り笑った後、いまだに楽しげな瞳を私に向けて、語りだした。

「俺ね、普通に人間だよ」

「……え」

「さっき走ってたのは、……ほら、これこれ」

 青年は手元の機械をいじると、その画面を私に見せてくる。そこには、白の線で表示されたマップのようなものと、「0」の文字。その横に表示されている、謎のマークが2つ。
 さっぱりわからなくて頭に?を浮かべていると、青年はまた少し笑いつつそのマークを指さした。

「これねぇ、俺がめっちゃ速く走るときに使う……魔法? みたいなもんなんだよね」

「魔法……?」

「正直俺もよく分かってないけどね」

 ん〜と背伸びをしながら、青年は再び立ち上がる。そして、私を見下ろしながら言った。

「どうする? 俺、ここから逃げる準備は整ってるんだよ、一応。一緒に逃げる?」

 どうする、なんて今更聞かれても。
 正直こんな場所にずっといたくはなかったし、それよりもこの人が人間(?)であることは本人も言っているんだから信じてあげたほうがいいだろう。
 首を縦に振る以外、私に選択肢はなかった。

「……そういえば、名前聞いてないわ。名前何?」

「……名前、名前……は、Aです」

「Aね。これからよろしく……っていうか、ちょっとの間だけど。俺はこんそめね」

「分かりました。よろしくお願いしますね」



cnsmさんお誕生日おめでとうございます!
内容が重苦しいタイプになり後半雑ですごめんなさい

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ぴすけっとの遊び場(プロフ) - りゃまさん» うわ〜!!コメントありがとうございます🙇‍♀️ 毎回お題に工夫を入れたり、言葉選びには気を遣ったりしているので、そのお言葉とっても嬉しいです🙌 これからも頑張ります……!!嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!!!! (2021年12月13日 19時) (レス) @page4 id: af576e9416 (このIDを非表示/違反報告)
りゃま - 初めまして、!  お話の構成、言葉選び、口調等々、とても好きです!  お話の設定された題材等、とても大好きです……  個人的にとても大好きです、これからも頑張って下さい! (2021年12月13日 0時) (レス) @page4 id: b71400f95b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:健康優良児ぴすけ | 作成日時:2021年12月5日 17時

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