魔族の王が幻想入り

邪悪な僧侶、エビルプリースト ページ13

…
エビルプリーストというのは、一年前、デスピサロ四天王の一角だった魔物です。
魔法が得意で知識豊富、場数も多く踏んでいた四天王のリーダー格でした。

ぬえ「一年前？今は違うの?」

はい。
とある事件により、エビルプリーストが反逆。
そのため、今も四天王は、ヘルバトラー、アンドレアル、ギガデーモンの三匹。未だに空席なんです。

ぬえ「事件？」

エビルプリーストが人間を操り、ロザリー様の命を奪ったのです。
狙いは、デスピサロ様を倒し、自分が魔族の王となることでした。

ぬえ「ロザリーさんを…」

その後、勇者達の活躍により、デスピサロ様の誤解がとけ、世界樹の花の力でロザリー様も生き返ることができました。

ぬえ「世界樹の花…死者も生き返るほどのものなんだ？」

世界樹の花は、千年に一度しか咲きません。
私の予想では、千年の間、世界樹の力を凝縮しているのではないかと。

ぬえ「エビルプリーストはどうなったの？」

ここ、デスパレスで進化の秘法を使い、最強の生物に進化したエビルプリーストは、魔族の王と名乗り、デスピサロ様を死んだものとして、やりたいほうだいでした。

ぬえ「進化の秘法？」

生物を進化させる禁術です。
エビルプリーストはそれにより、強大な力を手にし、世界を支配しようとしました。

しかし、世界の支配など許さない勇者達と、反逆したエビルプリーストを断罪しようと考えるデスピサロ様の共闘により、エビルプリーストは倒れました。

ぬえ「よかった…でも、最強に進化したのに負けたの?」

これも私の予想に過ぎないのですが、
進化とは、常に前進しようというもの。進化が完成するというのは、すなわち進化をやめること。
進化の秘法を完成させてしまったエビルプリーストはそのせいで力を手に入れるに至るも、究極とはなり得なかったのではないかと。

ぬえ「ふーん…で、そのエビルプリーストが復活したかもしれないって訳ね？」

その通りです。
私からの説明はこんなところですね。
…ところで、もう一人女性がいませんでしたっけ？

ぬえ「紫なら用事あるって言ってスキマでどっか行っちゃったよ」

そうですか。
そろそろ報告も終わるころでしょう、お茶を淹れて待ちますか。

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