優しさ ページ19
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Kaino side
甲斐野「Aさん大丈夫ですか?」
ベンチでぼーっと体を冷やしている姿を見つけて話しかけた
「あ、ひろし…」
明らかに元気無いし目がトロンとしていて顔も火照っている
大丈夫じゃないと判断し勝手に横に座り汗を拭いたり体を冷やしてあげる
すると突然Aさんの目に涙が溜まっていて今にも泣きそうになっている
甲斐野「どうしました?キツイですか?」
何も言わずただ首を横に振るAさん
涙を流しながらゲームを見ている姿が不覚にもすごく綺麗に見えた
「ひろしは… このチームの人たちは… 無条件に優しさをくれるから」
そう言って微笑んでいるあなたもまた優しさを無条件で与えているのに
涙で濡れた頬を拭って優しく撫でる
甲斐野「トレーナーさんから水分取れってこれ飲んで下さい」
そう言って子供用のジュースを差し出すとふんわりと笑い素直に飲み始めた
甲斐野「赤ちゃんになってますよ〜?」
ジュースを持ってストローで吸っている様子はまるで親戚の赤ちゃんみたいだ
ほっぺを膨らまし睨んでくるが反論はしない
「ここまでお世話されたら赤ちゃんって言われても仕方ないやん…」
調子に乗ってよしよしと赤ちゃん扱いしても全く怒らない
和子さんが来て動画撮ってくれる時もいつもなら距離おくのに今日はずっとくっついたまま
珍しい光景に周りもここぞとばかりに絡みにくる
きっとAさんはたくさんの人に愛されてるから優しさを無条件に与えられているんだろうなと感じた
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作者名:ヲ | 作成日時:2020年2月13日 1時