beginning (ページ16)

今日:17 hit、昨日:13 hit、合計:149,954 hit

ピンチページ16

·

1アウト二、三塁ビハインドの場面でマウンドに上がることになった

初めてのランナーを背負った状態で正直プレッシャーがやばい

マウンドに着くと野手のみなさんがそれぞれ声をかけてくれるがほとんど耳に入らない

ヒット1本で点が入ってしまうしホームランなんて最悪だ

上手く息が出来ていない呼吸の仕方すら忘れてしまったみたいだ

甲斐さんからのサインに頷く

でもストライクゾーンに投げれなくて大きく外れてしまった

どんどん焦ってくる

2球目なんてほぼ暴投のようなフォークを投げてしまった

きっと呆れて甲斐さんがマウンドに寄ってきた

甲斐「どうした？」

「もう投げられないです…」

そう言うと後ろからチョップされた

上林「何言ってんの？」

「え、ばやし？」

上林「後ろで見てられなかったから来た」

何に怯えてんの？そう言われた

「だってヒット1本で失点するし、ホームランなんて最悪やん… 」

上林「なら俺がヒット1本無くしてやる。タッチアップなんてさせない、だから思いっきり投げろよ」

頭をふわりと撫でて微笑み、51番は颯爽とライトへ戻っていった

甲斐「後ろ見てみ？」

マッチさん、いまみーさん、マキさん、ウチさん…

甲斐「心配する必要ないだろあの人たちが後ろで守ってくれるんやから」

横で私の腰ベルトを掴み安心させるように優しく言ってくれる甲斐さんもいる

ライトを見ればいつものようにばやしが拳を突き出している

甲斐「いけるか？」

「いけます！」

大きく息を吐きサインに頷く、そして全力で投げる

コースに決まってきた、あとアウト1つ

決め球でフォークのつもりが甘く入ってしまった

やばい打たれる

鋭い打球がライトに飛んでいった

スタンドから歓声があがる

上林「ヒット1本無くしてやるって言ったろ？」

先輩たちからナイスプレーと称賛される中ばやしの胸に飛び込んだ

「ありがとう…！」

上林「よしよし、Aもよく頑張ったな」