恐ろしい子 ページ14
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KAI side
さっきまで顔面蒼白だったくせに
サインを見た瞬間目の色が変わった
1人目をストレートだけで抑えた
比較的感情が顔に出るタイプだと思っていたのに際どいファールを打たれても顔色ひとつ変えない
ルーキーなのに肝が座ってる
2人目の3球目にスライダーのサインをだすと少しニヤッとして頷いた
本当に恐ろしいやつだわ
結局、三連続三振を奪い交代
マウンドから降りてくるAに声をかける
甲斐「おつかれ!最高やったぞ!」
「はい……」
甲斐「どした?どっか痛い?」
急に静かになって俯くA
「甲斐さん…いま私本当に投げたんだなって」
二軍でも投げたことないから、なんか感動しちゃってと言い笑うA
甲斐「これからも頼むぞ」
俺がお前の盾になってやる
だからお前は100%の力で投げろ
絶対に受け止めてやるから
そう言うとベンチに座ってまた俯くA
「こんなに受け入れてくれたの、初めてで嬉しかったんです」
必要としてくれるのが嬉しくてと涙を目に溜めて頑張って言葉を繋いでいる
そんなAを見ていると体が勝手に動いていた
「甲斐さん泣いちゃいます」
無意識に頭にのせていた手を頬へとずらす
甲斐「もう泣いてるやん」
そう言うとダグアウトから戻ってきた千賀がAの隣に座る
千賀「おつかれ〜」
「…!おつかれさまです!」
千賀にナイスピッチングと褒められて嬉しそうにしている
千賀「俺達はさ〜無失点なのにさ〜野手が1点もとってくれんから勝てんよな〜」
次のバッターがギータさんと知ってデカい声で話す千賀に対して
柳田「うるせえ!」
と闘争心剥き出しなギータさん
これで本当に打つから凄いよなあなんて思いながら9回の準備をする
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作者名:ヲ | 作成日時:2020年2月13日 1時