Recollection2『mistakes』 ページ50
月日は流れ、少年達は十五歳になった。
久しぶりに兄弟水入らずで、いつの日か一緒に過ごしていた部屋でにいた。
七年前まで二人で使っていた面影はすっかり消えてしまっている。だが、当時使っていた玩具箱やピアノが同じ場所に置かれたままなのが懐かしく、不思議と寂しくは思わなかった。
片方は仕事を、もう片方は本棚に合った小説を捲っていた。だが、頭の中に内容が入ってこず、ゴロゴロと床を転がるだけだ。
少年はぽつりと、無意識に呟いた。
_つまらない。
少年は困ったように笑う。
だが、次には善い事を思いついたと言わんばかりに提案する。
_街に行ってみたらどう?
ちらり、と時計を見た。今日は丁度両親も家にいるが自室で仕事をしているし、家政婦や他の人間も普段より少ない。
少年はこくりと頷き、立ち上がった。
裏から行けばバレないだろうと考えた少年達は窓からロープを垂らして、それを伝って地面に降りる。
少年は大きく手を振りながら、屋敷を去った。
青い空に点々と連なる雲の下で道路を駆けた。
街におりると、賑やかな声が飛び交い、少年の隣を子供達がはしゃぎながら通り過ぎていく。手には大きな渦を描いた綿あめやポップコーンを持っていた。
子ども達とは反対の方向に行くと、公園には小さな屋台が並んでいた。
綿あめやポップコーンの他にもホットドックやかき氷、射的に輪投げ、金魚すくい。どれも楽しそうで、少年は久しぶりの光景に目を輝かせた。
小さな子供のようにたくさん遊んで、屋台のおじさんにおまけを貰い、もう一人の少年へのお見上げを両手に抱えて帰路を辿る。
夕暮れに染まる家が見えた。
もう一人の少年に今日の出来事を話そうと小走りになる。
夕暮れではなかった。
橙色と紅色を混ぜたような色は太陽が沈む色ではなく、轟々と燃え盛る炎の色だった。
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RANA(プロフ) - ゆかりさん» 遅くなりましたが続編で来ました!続編でも読んでいただけたら幸いです。 (2021年8月1日 21時) (レス) id: 1320bd10d0 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ゆめのあきさん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます (2021年8月1日 21時) (レス) id: 1320bd10d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続き待ってます (2021年7月23日 16時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです! 更新楽しみにしてます! (2021年7月15日 1時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - らむくんさん» そうなんです……シリアスをシリアスにできずに本当に申し訳ないです切腹 (2020年8月14日 1時) (レス) id: 37ff009e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2020年8月2日 13時