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第壱話、喫茶処 ページ1

その喫茶処_「うずまき」は、探偵社が入った建築物(ビルヂング)の一階にある。

そして、休憩中の探偵社員がよく屯する場所だ。


今日も今日とて、探偵社員_太宰、国木田、敦はうずまきで昼食(ランチ)と洒落込んでいた。普段なら他の社員もいるのだが、仕事へと出かけている。


「はぁ〜、落ち着く」

「貴様、何故此処にいる。書類仕事はどうした」

「飛行機になって空を飛んでるよ」


国木田の怒号が響くのも慣れた。
宥めても無駄だという事は、すでに敦もわかっている。苦笑する以外にないのだ。


「相変わらずだな、お前ら」


苦笑する者は、もう一人。深紫色の瞳をした青年。
赤銅色の髪が窓から差し込む日で照らされた。

店長お手製である咖喱飯(カレー)を運ぶ。


「はい。おまちどうさま」

「ありがとうございます。Aさん」


北原A。
うずまきでバイトをしている大学三年生だ。今日は午前だけの講義だったので、昼間からこうして働いている。


敦がぺこりと頭を下げると、「いーのいーの」と笑う。


「それよりほら、あったかいうちに食いな」

「はいっ。いただきます!」

「敦は健気でいいなあ。こっちのヤツも食っていいよ」

「Aくん。それ、私の咖喱飯(カレー)じゃない?」

「お前の目は節穴か?目の前にちゃんとあるだろ」


太宰はそっと自分の皿であろうものを見る。

いやこれ何も入ってない、と太宰は消え入りそうな声で言うが、どこ吹く風だ。Aはさっさとカップを片付けにカウンターへと戻っていく。


扱いに慣れている。
国木田はハッと鼻で笑った。


「流石だな、A。お前が探偵社員になってくれれば、俺も助かるんだが」

「切った張ったの荒事は、俺には向かないよ」

「そういえば、Aさんは何時からうずまきでバイトを?」


太宰に咖喱飯(カレー)を渡し、自分のをもぐもぐとを食べながら敦は訊く。

こうして太宰や国木田、他の社員と和気藹々と話しているのだ。
かなり長い間いるのではないかと思った時、Aが「四年だよ」と答える。


「丁度いい処があるって紹介されてね」

「紹介?」


誰からなのか訊こうとした直後だ。

店の扉が勢いよく開け放たれた。
全員が視線を向け、人物がわかると納得する。


「A!咖喱飯(カレー)ちょうだい!」

「はいはい。甘いやつね」


現れたのは武装探偵社一の、否、世界一の名探偵こと江戸川乱歩だった。

第弐話、名探偵→



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RANA(プロフ) - ゆかりさん» 遅くなりましたが続編で来ました!続編でも読んでいただけたら幸いです。 (2021年8月1日 21時) (レス) id: 1320bd10d0 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ゆめのあきさん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます (2021年8月1日 21時) (レス) id: 1320bd10d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続き待ってます (2021年7月23日 16時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです! 更新楽しみにしてます! (2021年7月15日 1時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - らむくんさん» そうなんです……シリアスをシリアスにできずに本当に申し訳ないです切腹 (2020年8月14日 1時) (レス) id: 37ff009e06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2020年8月2日 13時

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