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黒龍の主とは。 ページ7

No side


Aは龍の頭の上で胡坐を掻いて座っていた。

標高上地上より風が強く、無意識に帽子を抑えようと頭に手をやるが空振る。一瞬に疑問に思うが、辻村とのやりとりを思い出して「そうだった」と一人苦笑する。

慣れとは恐ろしいものだ。


『もって五分、かな』


掌を見つめる。

静電気と似た痺れが手だけでなく全身を駆け巡っている。後数十秒経てば痺れは強くなり、二分後には痛みが出始め、最後には動けなくなるだろう。


ふぅーっと息を吐き、前を向いた。

丁度、中也が光線を蹴散らしていたところだった。


加戦するか、と向かおうとした時、龍の方から攻撃を仕掛けてきた。中也と同じ、無数の光線が襲い掛かってくる。
Aに届く直前、半球型の黒壁が防いだ。衝撃で割れたが、瞬時に同数の黒龍に変形すると光線を噛み砕いた。

そして中也の方にも向かわせ、残っている光線を凡て破壊する。


漸く周囲が拓けた。中也は右手に大きな重力子弾を発生させ、龍に撃ち込む。同時に龍も咢から光弾を放った。

重力子弾と光弾、二つの巨大な力の塊がぶつかり衝撃波が走る。中也の身体は弾かれ、重力を操る暇も無く霧の下へと一直線に落ちて行った。


影で身体を拘束し、なんとか弾かれずに済んだAは衝撃波が止むと俯いていた顔を上げた。


直後、電気に貫かれるような痺れと痛みが身体を襲う。
限界が近い。


龍が次の光弾を放とうと、再び口を開いた。先程は重力子弾との衝突だったからよかったのものの、直接地上に撃たれれば街の崩壊は免れない。


汗が頬や首筋に流れ、心臓が早鐘を打つ。いつもより血流が速い気がするし、体温の上昇も止まらない。


息が苦しい。
体が熱い。
痺れと痛みが一秒ごとに酷くなる。


なのに、Aは嗤っていた。

この状況が愉しいと言わんばかりに、深い金色の瞳も爛々としている。


『ハハッ…そそられんね』


ぺろり、とした唇を舐めた。

その地に轟ぐ三つの声とは。→←異端の存在が二匹とは。



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RANA(プロフ) - 夜月銀桜さん» ありがとうございます!再更新の日にまたお会いしましょう!! (2020年1月30日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月銀桜(プロフ) - お疲れ様でした!また10を楽しみにしています! (2020年1月29日 21時) (レス) id: 8b1129a01c (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ぴのさん» ありがとうございます!!徳永は相変わらずのおにぎりキャラメルペースです!←この子はずっとこんな調子です←←あともう少しで終結へ…それまでよろしくお願いします。 (2019年12月11日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - RANAさん続編おめでとう&スター作者おめでとうございます!徳永ちゃん相変わらずマイペースね……性格がぶれないからほんとに好きです! (2019年12月9日 15時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - I am gotさん» ありがとうございます。期待に応えられるよう頑張ります! (2019年12月9日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2019年12月5日 16時

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