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見下ろす世界とは。 ページ3

No side


「恐らく太宰くんは排除されています。この意味が判りますね?」


中也は「構いやしねェよ」と手袋を剥ぐ。
隣にいるAは沈黙し、それは肯定を意味していた。


「いいのですか?報酬である私の命を、貴方は受け取っていない」

「思い上がんなよ、ゴラァ」


中也は凡て理解していた。

六年前の安吾は、今のような地位は無く、下っ端の潜入捜査官だった。
龍頭抗争を止める手として澁澤を投入する事に対して反対しても、上は聞き入れてはくれなかった。


安吾が言葉を詰まらせる。

それを判ってか否か、「此奴は奴の戯れ言だ」と独り言のように呟いた。


「太宰のポンツクはあの中にいる、間違いねェ。一発殴らねェと気が済まねえんだよ」


「切るぞ」と安吾の言葉を待たずに通信を切り、耳から外す。

風で髪が揺れ、中也の表情は誰にも見えない。が、Aは判っているらしく、やれやれと肩を竦めた。


『最初からそう言ってあげればいいのに』

「うるせ」


ふいっと視線を逸らすのを見て、けたけたと笑う。


2人は下界を見下ろした。

霧を、雲をも超えた龍が君臨している。幻想遊戯(ファンタジーゲーム)の最終舞台(ステージ)で描かれる_世界が滅びる寸前のそれと同じ景色だ。


『滅ぶのは世界か、若しくは……』


深い金色の瞳が怪しげに揺れた。

次の言葉を言おうとした時、背後に現れた人物の発言によって言う事はかなわなかった。


「間もなく目標地点上空です」


振り向くと、其処には水色の髪が目立つ女性が立っていた。濃いグレーのスーツに白シャツ、首にスカーフを巻いている。

内務省異能特務課の新人エージェント。名を辻村深月。
__能力名『きのうの影踏み』


中也は以前会ったことがあり、少し考える素振りを見せた後「あン時の嬢か」とその時の状況を頭の片隅で思い出していた。

決めるのはこの場の誰でもないとは。→←慌てたって何もならない、とは。



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RANA(プロフ) - 夜月銀桜さん» ありがとうございます!再更新の日にまたお会いしましょう!! (2020年1月30日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月銀桜(プロフ) - お疲れ様でした!また10を楽しみにしています! (2020年1月29日 21時) (レス) id: 8b1129a01c (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ぴのさん» ありがとうございます!!徳永は相変わらずのおにぎりキャラメルペースです!←この子はずっとこんな調子です←←あともう少しで終結へ…それまでよろしくお願いします。 (2019年12月11日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - RANAさん続編おめでとう&スター作者おめでとうございます!徳永ちゃん相変わらずマイペースね……性格がぶれないからほんとに好きです! (2019年12月9日 15時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - I am gotさん» ありがとうございます。期待に応えられるよう頑張ります! (2019年12月9日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2019年12月5日 16時

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