現れた幹部とは。 ページ44
No side
一方、異能特務課では処理や対処に追われていた。
突如として現れた霧の出現、一般人の消失、横浜各地で起こっている異能所持者と異能との戦闘、外との連絡の遮断などで大わらわだ。
通信室を埋め尽くすモニターの駆動音やタイピング音が今までにないくらい忙しく聞こえる。
安吾も、解決策がないかと手を休む事無く探っている。
最中、何かの破壊音が轟いだ。
それは徐々に通信室へと近づいて来ている。
困惑の声が飛び交う中、安吾だけが冷静に「来ましたか」と呟いた。
「何です?」
「A5158ですよ」
直後、通信室の扉が吹き飛ばされ、床に転がる。
幸い人に当たらずに済んだ。
何事かと職員達が扉があった場所へと目を向けた。其処には足を上げた状態で立っている男の姿があった。
黒い外套に黒い帽子、黒い手袋、黒いチョーカーには唯一金具があり、薄暗く光っている。
帽子の鍔で隠れた顔を見ずとも、その溢れ出る血と暴力の雰囲気で察した。
「電話一本で俺を出前みてぇに呼び出すとは、善い度胸じゃねぇか」
ポートマフィア幹部、中原中也だ。
その言葉は静かだったが、威圧と殺気を肌で感じ取れる。
中也の登場に騒めく職員達を制するように、安吾は立ち上がり席を外すよう呼びかけた。
職員達は怪訝に思いながらも去っていく。
やがて通信室は安吾と中也の二人だけとなった。
「此処は政府の施設ですよ。こんな事をして只で済むと思っているんですか?」
「只で済むかどうかを決めるのは俺だ。手前じゃねえ」
中也の鋭い眼光が安吾を射る。
「貴方は僕に借りがある筈ですよ」
「それは手前の方だろ」
「…何の話ですか」
液晶画面の光が安吾の眼鏡に反射し、表情は見えない。
「惚けんじゃねえ、俺が何も知らねぇとでも思ってンのか…六年前の話だよ」
中也の殺気を含んだ声に、安吾は僅かに反応し、口を閉じた。
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RANA(プロフ) - 月影のアリスさん» え、あ、え、い、いいんですか!?(( それはもうぜひ!!お願いします!!! (2020年1月29日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
月影のアリス(プロフ) - 徳永ちゃん描かせていただいてもよろしいですか? (2020年1月28日 21時) (レス) id: 8ac6197a54 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» どうぞどうぞ載せてください!!キャラメル気がついて頂けたんですね(〃▽〃)更新頑張ってください! (2019年9月19日 0時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 紅翡翠さん» おにぎり食べてドヤ顔してる徳永めちゃ可愛いです!ポケットにはさりげなくキャラメルが…!ありがとうございます!!もしよろしければ小説にのせてもいいでしょうか? (2019年9月19日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/4/a/2/4a22a73a582ac871202ccf3647d37b53.jpegこっちがアナログです!http://uranai.nosv.org/img/user/data/1/3/0/130135aa9b79aa3a66aefa33239f3ca0.png2枚目はデジタルです!拙い絵ですいません…々上手く貼れてますかね? (2019年9月18日 15時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年12月18日 0時