夢の部屋とは。 ページ37
No side
赤い結晶が何百、否、何千と輝いている。澁澤のコレクションルーム_異能の結晶が飾られている部屋だ。
其処に澁澤、太宰、ドストエフスキーの三人は居た。
「私にとって他人は、見知った機械が詰まった肉袋に過ぎない」
唐突に澁澤がそんな事を言った。
その独白に二人は黙って聞いていた。
呆れているのかどうでもいいのか定かではないが、無表情だ。
「だが、私にも理解の及ばぬ人間がいた。私だ」
澁澤は至極真面目だった。
流石の太宰も、それには呆れた様子だ。
隣にいるドストエフスキーは目を瞑り、微笑むだけ。
「君、友達居る?」
「友人など不要だ。どのような他者の心も判るのだから」
緩く笑み、否定した。
部屋を見渡しながら、中央にいる二人の方を振り返る。
「私は必ずや私の行間、空白の光の向こう、さらなる世界へ行く事ができる」
「…本当に友達が居たら、そんな事は言わないよ」
若し居たとしても、変人…普通じゃない人である事は確かだ。
"友達になろう"と言われてもこの二人は絶対にならない。
まぁ、彼は一生作ろうとはしないだろうが。
太宰の呟きに澁澤は応えない。
「その時は間もなく訪れる…この横浜の異能力は凡て、すぐに私のものになるのだから」
彼は彼の進むままに、信じた道へ歩み続ける。
予定が狂うなんて有り得ない。
理由は単純だ。
澁澤は中央へ進み、太宰の前で止まる。
そして覗き込むように顔を近づけ、嘲笑する。
「自分の異能に勝てる人間が、一人でもいると思うか?」
横浜中で、異能力者全員が自身の異能と闘い、苦戦していた。
ある者は、黒獣と。
ある者は、白虎と。
ある者は、白き夜叉と。
ある者は、影と。
ある者は、同じ麦藁帽子を被った怪力者と。
ある者は、治癒者と。
ある者は、幻と。
ある者は、手帳の者と。
ある者は、自我を持つ異能少女と。
ある者は、剣士と。
霧に囲まれたこの街で、彼等は自身の異能を取り戻せるのか__
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RANA(プロフ) - 月影のアリスさん» え、あ、え、い、いいんですか!?(( それはもうぜひ!!お願いします!!! (2020年1月29日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
月影のアリス(プロフ) - 徳永ちゃん描かせていただいてもよろしいですか? (2020年1月28日 21時) (レス) id: 8ac6197a54 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» どうぞどうぞ載せてください!!キャラメル気がついて頂けたんですね(〃▽〃)更新頑張ってください! (2019年9月19日 0時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 紅翡翠さん» おにぎり食べてドヤ顔してる徳永めちゃ可愛いです!ポケットにはさりげなくキャラメルが…!ありがとうございます!!もしよろしければ小説にのせてもいいでしょうか? (2019年9月19日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/4/a/2/4a22a73a582ac871202ccf3647d37b53.jpegこっちがアナログです!http://uranai.nosv.org/img/user/data/1/3/0/130135aa9b79aa3a66aefa33239f3ca0.png2枚目はデジタルです!拙い絵ですいません…々上手く貼れてますかね? (2019年9月18日 15時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年12月18日 0時