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懐かしき遠い日とは。 ページ13

横浜の夜はとても静かだ。
今起こっている事件なんてまるで無いように感じてしまう程に。

ある程度調べものを終えてから、そんな夜に足を踏み入れた。


様々な色で輝く街には行かず、薄暗い路地裏を進む。


看板が見えた処で一度立ち止まった。

何年ぶりかな、此処に来るのは。


店内に入ればアルコールの匂いがふわりと鼻を擽る。
この匂いに、雰囲気に、脳裏に流れる記憶に浸りながら階段を降りた。


先客は既にいた。

其奴は当時と同じ席に座って、同じ酒を眺めていた。
その隣には彼が何時も頼んでいた蒸留酒がある。

私はその酒にアリッサムを置いてから、当時座っていた席に座った。


「態々買ってきたのかい?」

『まぁね。其処の花屋で一番綺麗に咲いてるのにした』

「織田作も喜ぶよ」

『…だといいけど』


マスターが出してくれたノンアルコールカクテルを一口飲む。
この味も全く変わってない。


「無視されるかと思った」

『そしたらアンタ、蝉が大量に入った箱送りつけてきそうじゃん』

「正解!」

『マスター、ハンマー頂戴』

「ないです」


茶番はさておき。


私は手に持っていた物を渡す。
それを受け取ると、グラスを持った。


「今日は何に乾杯する?」


太宰は嘗て隣に座っていた織田作に話しかけた。

勿論、言葉は返ってこない。



___「先に2人だけでやるか」___



けれど鮮明に聞こえた。


私は黙って織田作のグラスに自分のグラスをぶつける。

グラスの音と氷が弾ける音が響いた。


「何に乾杯したんだい?」

『秘密』


これは私と織田作の、2人だけの乾杯だ。

太宰は「そうかい」と静かに笑って再び前を向いた。





「…安吾は来ないよ」





小さく零した呟きに、私は聞いていないふりをした。

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RANA(プロフ) - 月影のアリスさん» え、あ、え、い、いいんですか!?(( それはもうぜひ!!お願いします!!! (2020年1月29日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
月影のアリス(プロフ) - 徳永ちゃん描かせていただいてもよろしいですか? (2020年1月28日 21時) (レス) id: 8ac6197a54 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» どうぞどうぞ載せてください!!キャラメル気がついて頂けたんですね(〃▽〃)更新頑張ってください! (2019年9月19日 0時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 紅翡翠さん» おにぎり食べてドヤ顔してる徳永めちゃ可愛いです!ポケットにはさりげなくキャラメルが…!ありがとうございます!!もしよろしければ小説にのせてもいいでしょうか? (2019年9月19日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/4/a/2/4a22a73a582ac871202ccf3647d37b53.jpegこっちがアナログです!http://uranai.nosv.org/img/user/data/1/3/0/130135aa9b79aa3a66aefa33239f3ca0.png2枚目はデジタルです!拙い絵ですいません…々上手く貼れてますかね? (2019年9月18日 15時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年12月18日 0時

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