【文スト】参謀とは。黒編【DEAD APPLE】

懲りない人とは。 ページ11

その後首領は澁澤を見つけ次第殺害と太宰の捜索を命じて会議は終了。


私は部屋に戻って残りの仕事と対策立案…の前に、首領に呼ばれ執務室へ向かっていた。

首領は一足先に執務室に戻っている。


まぁ首領も忙しい身だ、早めに済ませよう。


執務室の前に行けば、見張りの構成員が私を見るなり横へ捌ける。


『失礼しま＿＿』

「やだ気持ち悪いこっちにこないで」


早々罵倒が聞こえたのだが。

見てみるとエリス嬢が机に立っていた。
そして見下ろす先には、


「お願いだよぅ、ちょっとだけでいいから！」

「ムリ」


言わずもがな我等が首領だった。

執務室に早く戻った理由はこれかよ。


首領の手には黄色の襞(フリル)が付いたドレス。

これで察しない人間がいない訳がない。


「今日やっと届いた仏国の新作ドレス。エリスちゃんに絶対似合うよ！」

「A助けて！リンタロウが帰ってきて早々ウザイの！」

「無視！？」


私に気づいたエリス嬢が隼の如く飛んで来た。
それをしっかり受け止める。

エリス嬢の頭が思いっきり当たったけど。
もう痛みなんて無い。慣れって怖いね。


少し離れ、立膝を付きエリス嬢の手を取ってもう片方の手は胸に当てた。


『安心して下さいエリス嬢。貴女のことは、何があっても私が守ります』

「A…」

「あの、二人とも。何かお姫様と王子様みたいな凄く善い展開(シーン)的な感じだけど相手魔王とかじゃなくて私」

『ちょっとそこの見張り！変質者がいるからすぐ来て！！』


そう言えば扉を蹴破って入ってきた。
優秀だ。

変質者(首領)の位置を伝えれば銃を向けるが、相手が判ってすぐに銃を下ろし姿勢を正した。


「あっあの、徳永参謀」

『怯むな、殺れ』

「いや、ですがあの方は変質者ではなく…」

「Aくん？一旦落ち着こう？？」

「私が許可するわ。あのヘンシツシャをどうにかして」

『ほら、エリス嬢も言ってるから』

「今度何か買ってあげるからヤメテ」

「私西洋菓子(ケェキ)！」

『私はキャラメルもんぶらんロールで』


見張りを困らせるんじゃないよ。

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