【文スト】闇の支配人とは。6

厄日とは。 ページ46

隣からハンドルを乱暴に叩く音がした。


『糞ッ！何処行ったンだよ！』

「ちょっと優しく扱ってよ私の体」

『手前のかよ』


苛立ったように目つきが悪くなってる中也...じゃなくて、"私"。

私...いや、"中也"もこの状況に深いため息をついた。


私が中也で、中也が私という見事体が入れ替わってしまった私達はさっきの男を追いかけて車を走らせた。
が、逃げ足が速いのか一向に見つからない。


手袋をしている手を広げて見つめた。


「どうせなら身長高くなりたかった...」

『圧死させ＿＿』


突如、頭を強く押さえつけられた。
そのせいで前にある台にゴンッと盛大な音を立ててぶつけた。


「い‶っだ...こンの暴力ゴリ＿＿」

『黙ってろ！』


小声で怒鳴られた。

何事かと目を向けると、顔が病人みたいに真っ青だ。


懸垂してる幽霊でも見たのかな。


手をなんとかどかして顔を上げる。
すぐに下げた。

冷や汗が頬を伝う。


窓の向こうに、この状況を一番見られたくない人がいた。


「なんで太宰がいンの！？」

『俺が知るかッ』


向かいの道路に全身水浸しの太宰がいた。

どうせまた入水でもしたんだろうけど、今は呆れるどころじゃない。


今の状況を見られたらどうなるか、容易に想像がつく。
確実に嫌がらせのネタにされる。


息を殺して、ただひたすらに太宰が去ってくれることを願ってた。


『...行ったか？』

「どうだろ」


2人で少しだけ顔を上げて外を見た。
見渡してみるけど、太宰の姿は何処にもない。どうやら去ったみたいだ。


はぁーっと長めに息を吐いて座席に凭れ掛かる。


『あ‶−、最悪だ。早めに仕事終わらせたのが莫迦らしいぜ』

「見つかンなかっただけいいよ...見つかったらどうなる事か」

『そうだな』


さて、男の探索を再開しますか。
そう意気込んだ時、


「ばぁ」

「ぎゃああああ！！」『ぎゃああああ！！』


もうやだ帰っておにぎり食べたい。

奥の手とは。→←目が点になる瞬間とは。※内容変えました。

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