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闇を支配する者とは。 ページ31

No side


命を狩りとらんばかりに黒鎌が踊っているかのように斬りかかる。

三船は刀でそれを止めるのに必死だった。
反撃の隙もない。

ならば、作る他に方法は無い。


黒鎌を受け止めると、そのまま大きく横へ振り流し、正面に空間を作った。

そこへ突っ込み、一気にAとの距離を縮める。
そのまま刀を振り落とした。


刃が届く直前、Aと刃の間に黒い壁が現れ火花を散らして弾いた。


体勢が崩れる。

それを見逃さず、壁は再び黒鎌へと変形し横に振り回した。


間一髪で刀を防いだが、後ろへ吹き飛ばされた。

壁にぶち当たり、背中に痛みが走った。
そしてずるずると地面へ落ちる。


黒鎌は主であるAの元へと戻った。


再び雲が現れ、ゆっくりと月を隠していく。


三船は立ち上がりながらAを見た。

表情に"絶望"はなく、瞳には光が宿っていた。
その瞳で三船を見据えている。



"生きる"が判った、"生きる"を知った__






"生きたい"と思い死に抗う瞳。


「な...んで、だよッ」


ぎり、と柄を握りしめる。


「なんで、そんな目してんだよッ!」


そう言って駆け出した。


判らない。

わからない。

ワカラナイ。


小林多喜二も、中原中也も、徳永Aも。


何故"生きる"?

死の淵にいるにも関わらず、何故死から逃げようとする?


三船は判らなかった。
だから嫌いなのだ。


「ボクはそんな目を見たいんじゃない!そんな顔を見たいんじゃない!」


死から逃げることはできない。

なのに何故生きようとする?


「見せろよ!あの時の顔を!!」


月の光が小さくなっていく。

Aの後ろにある黒鎌が霧のように消えた。


「ボクは"絶望"が見たいんだ!」


地面を蹴り、宙を飛ぶ。

刀を構え、殺気を溢れさせた。


Aはその場を動かず、静かに立っている。


「見せろ..."絶望"をォォォォ!!!」


そう叫びながら刀を振り上げた。


同時に、辺りが闇に包まれた。









『太陽のない街』









静かに、けれど良く響いた。


その瞬間、凡ての(かげ)がその場を支配した。









太陽()の下にて生きる者は___





()の下にて生きられぬ。

光が戻った街とは。→←目覚めた力とは。



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ねむ - まだ途中までしか見てないのですが、徳永ちゃん描かせていただいたのでここにURL貼らせていただきます⊃ ̫ TU https://d.kuku.lu/hzhfb3ky7 (7月22日 16時) (レス) @page34 id: 9c99694c20 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 「長年の時を経て__とは」の死亡者が志望者になってますよ。 (2021年1月7日 7時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - こたけさん» ありがとうございます!では、後々「参謀とは。7」の方で載せさせていただきます。 (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - マリアさん» フォローありがとうございます!大好きと言っていただけて光栄です、頑張ります! (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - しろねこさん» 織田作ゲットできませんでした...おださくぅ() (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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