目覚めた力とは。 ページ30
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溢れた闇は三船だけでなく、残りの男達をも吹き飛ばした。
お陰で太宰を押さえつける者は消え、漸く起き上がることが出来た。
一方、Aはムクリと立ち上がり相手を見据える。
背後で揺れる影が巨大な黒鎌へと変形した。
「は...ナニコレ。聞いてないんだけど」
三船は起き上がりながら、乾いた笑みを零した。
そして十郎の方を見る。
「知ってたの?」
「莫迦な...彼奴も異能力者だと......?」
十郎は目を見開いたまま、呆然と呟いた。
「血は争えないと言うことか...」
「え?」
如何いう意味だろうか。
疑問に思うが、すぐに頭の片隅へと追いやることとなった。
黒鎌が風を切る音が耳元でした。
間一髪で躱すが、方向を変え再び襲い掛かってきた。
刀でそれを防ぎ、弾く。
離れた所で攻防戦を見ていた中也の腕が持ち上げられた。
「太宰」
「やぁ、調子は如何だい蛞蝓」
何時もの軽口を叩く太宰に一言いい返そうと口を開いた。
が、笑みを浮かべず真剣な表情でAを見ている太宰が目に映り、喉の奥へ消えた。
「...やっぱりか」
「やっぱり?手前、Aが異能力者だって知ってたのか?」
まるで、前から判っていたというような口調に中也が問いかける。
「最初は直感だった。けれど、あの時そうかもしれないと明確に思ったのだよ」
「あの時?」
「前にAが熱を出して倒れたことがあっただろう?」
脳裏に、以前任務の後に倒れたAが過った。
今も原因不明の筈だ。
中也が頷き、「それが如何かしたのか?」と問いかけた。
Aは十郎の異能によって呪縛されていた。
"印"を焼き付けられて。
その際に、異能をも抑えてしまっていたのだ。
熱の原因は、異能力によって無理矢理異能を抑えていたからではないかと太宰は仮説を立てていたのだ。
そして今日、三船に斬られた時に"印"も斬られた。
つまり、壊れたのだ。
"壊す"という条件を満たした今。
呪縛は破れ、そして異能も解き放たれた。
太宰の推測は見事に当たったという訳だ。
話を聞き終わった中也は相変わらず頭の回転が速い奴だ、と関心を通り越して呆れた。
「お前だけは敵に回したくねぇ...」
「それ程でも」
「褒めてねェよ」
駄目だ此奴。
中也は改めてAを見る。
影を操るAの姿は、奴 隷でも牛若丸でもない。
それは__
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ねむ - まだ途中までしか見てないのですが、徳永ちゃん描かせていただいたのでここにURL貼らせていただきます⊃ ̫ TU https://d.kuku.lu/hzhfb3ky7 (7月22日 16時) (レス) @page34 id: 9c99694c20 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 「長年の時を経て__とは」の死亡者が志望者になってますよ。 (2021年1月7日 7時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - こたけさん» ありがとうございます!では、後々「参謀とは。7」の方で載せさせていただきます。 (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - マリアさん» フォローありがとうございます!大好きと言っていただけて光栄です、頑張ります! (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - しろねこさん» 織田作ゲットできませんでした...おださくぅ() (2018年7月12日 23時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年3月27日 0時