起き上がった触手男とは。 ページ3
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残念なことに、太宰の住所が女性方に知らされることはなかった。
出口に着き、中也がドアを開ける。
途端、首に"何か"が絡みついた。
「さっきから妙に肩が凝る...働きすぎか......?」
『彼奴...』
Aは目を見開く。
三人の目の前には、右手を触手に変えたラヴクラフトがいた。
ラヴクラフトは中也を煉瓦の小屋へと投げ飛ばした。
鈍い音を立て、破壊された箇所はパラパラと破片が散る。
中也が起き上がろうとした。その時、
「むぅ、流石
「踏むな!」
『それ以上縮んだら嫌だもんね』
「圧死させ...どうした」
冗談を言ったAだったが、瞳は鋭くラヴクラフトを睨んでいる。
『ぶっ飛ばしたい相手の一人だよ...遣ってもいい?』
「待て、腕持ってかれてェのか」
中也は立ち上がり、警戒するように前方を見た。
ラヴクラフトは肩の骨を鳴らしていた。
怪しい雰囲気が漂う。
「来るぞ、如何する」
「ふっ、如何するも何も、私の異能無効化ならあんな攻撃小指の先で撃退__」
その先に言葉はなかった。
太宰が吹き飛ばされたからだ。
『は!?』
「太宰ィ!?」
二人は驚いて吹き飛ばされた方向を見た。
本来ならば、太宰に触れた時点で触手は塵のように消えていた筈なのだ。
けれど触手は消えることなく、太宰を吹き飛ばしたという有り得ないことをした。
唖然としている間にも、触手が方向を変え二人を襲おうと向かってきた。
ダァンッと衝撃音が響く。
『くっ...』
それは二人に当たることなく、Aの影で作り出した壁に当たった。
勢いを失った触手の動きが停止する。
その隙を狙い、中也は影の壁を土台にして前に飛び出し、
「重い...拳......」
地面に降り立った中也がAの方を振り返る。
腕を抑えて額に皺を寄せていた。
「ったく、無茶すんなよ莫迦が」
『何?ありがとう?ならキャラメル頂戴』
「心配した俺が莫迦だった、耳鼻科行ってこい」
そんな会話をしながら、二人は太宰の元へ駆け寄った。
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でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年1月13日 1時