【文スト】参謀とは。2

開始の合図がなる、とは。 ページ23

No side


3人は街中を離れ、路地へと入った。

Aは帽子の中に入っていた髪を出し、眼鏡を外す。


『あー、バレるかと思った』

「ヘンソウ、上手くいったわね」

『んね〜』


「これから使おうかな」と呟き、帽子を被り直す。
隣にいる森は足取りが軽く、今からでも鼻歌が聞こえそうだ。


「楽しい一時だった」


それは、組合(ギルド)の一人＿＿ルーシー・モード・モンゴメリの異能『深淵の赤毛のアン』に捕まった最中の事だろう。

森は身振り手振りで話始める。


「私も童心に帰って、異能で敵をばっさばさと遣っ付けたくなったよ」

「中年には無理」

『それな』

「非道い！」


行く先に光りが見える。
3人は其処へ足を進めていく。


「私は之でも＿＿」


少し広いところへ出た。

白いコンクリートの地面に、血を流す男が一人息絶えている。
それを囲む方にして、黒服の男達、黒蜥蜴、梶井基次郎、そして中央には中原中也がいた。

全員が森を見、そして中也は帽子を取る。


緊迫した空気が流れた。瞬間＿＿＿




その場にいる全員が跪いた。
森の後ろにいるAも、中也と同じように帽子を取り、それを胸に当て跪く。


森は微笑み、前へと進み、死体の傍らで足を止める。


「これが組合(ギルド)の刺客かね？」

「はい」


再度前へと進む。
靴の底が鳴る音が路地に響く。


「探偵社に組合(ギルド)。
我々も又、困難な戦局と言う訳だ。




＿＿最適解が必要だね。組合(ギルド)も、探偵社も」


壁の前で止まり、跪く者達の方へと振り返った。
そして前髪を手で後ろへとやる。


ポートマフィアの首領。名を森鴎外。
＿＿能力名「ヰタ・セクスアリス」


「敵対者は徹底的に潰して、殺す」


その言葉に、全員が頭を下げた。







ポートマフィア。









組合(ギルド)。









武装探偵社。









3つの大きな組織がぶつかるのは、そう遠くはない。

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