傷の意味とは。 ページ44
No side
『いてっ』
「あぁ、すまない。わざとではないよ」
『わざとやってたら鳩尾覚悟しとけや』
「怖い」
拠点へと戻ってきた二人は、医務室に来ていた。
Aの頬の傷の処置の為である。
太宰が慣れた手つきで消毒液をガーゼに染み込ませ、Aの頬の傷へと当てた。
「それほど傷は深くないから、傷跡にはならないだろうけど...あまり無理をしてはいけないよ。君だって女の子なんだから、傷は残したくないだろう」
『わかったって』
うるさそうに言うAの頬にガーゼを少し強く当てた。
さっきよりも傷口に染み、「いだっ!」とかおをしかめる。
此奴何してくれてんだ、と太宰を睨むが、どこ吹く風といった感じでガーゼをごみ箱に入れる。
「何故無茶をしたんだい?織田作に任せればよかったじゃないか」
その問いかけに、Aはすぐには答えなかった。
そもそも、あの時織田は撃つ体制に入っていたのだ。何時でもホルダーから銃を抜き、襲撃者を撃つことが出来た。
けれど、Aによりその必要はなくなった。
暫くの沈黙後、Aの口がゆっくりと開く。
『織田作に、撃ってほしくなかったから』
自分が何故そう思ったかはわからない。
ただ純粋に、織田が銃を構え、人に向けることをしてほしくなかった。
他の者が聞けば、「莫迦なのか」と言われるだろう。
「Aらしいね」
けれど太宰は優しく笑った。
Aの傷の上に新しいガーゼ当て、テープで止めて落ちないようにする。
「それじゃ、首領のところへ行こうか」
『ほーい』
二人は医務室を出て、執務室へと足を運んだ。
数時間後、森から対ミミックの前線指揮と作戦立案を任された。
1131人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RANA(プロフ) - 花雫@浮上中さん» ご指摘ありがとうございます! (2018年1月9日 0時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
花雫@浮上中(プロフ) - あんの青鯖野郎です!えっと唐突な間違い指摘ごめんなさい (2018年1月8日 2時) (レス) id: f3cc68df07 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - えーなさん» 14巻。表紙最高でしたね!次巻はやく販売しないかな()そして来年には映画ですね!それも楽しみなんですよ〜!! 続編、さっそくできました。応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
えーな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!14巻見ました!乱歩さんメインで私も幸せでした〜!そしてまさか探偵社の今後がめちゃくちゃ気になる終わり方で…!すみません、漫画の話はここまでにします笑 続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 2f759f2211 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月16日 22時) (レス) id: fcafb99727 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2017年11月5日 22時