【文スト】参謀とは。2

困ったさんが2人とは。 ページ21

うっわぁどうしよう今すぐに帰りたい。


無意識に帽子を深く被り直す。


「見つけたッ！」


はて、何を見つけたのだろう。
声のした方を向くと、その先に女の子がいた。


赤毛の三つ編みをした、女の子。


瞬間、昨日樋口ちゃんから貰った写真に写された三人のうちの一人の子が頭に過る。


組合(ギルド)の奴か。


最悪のオンパレードじゃねぇかよ。


『リンタロウさん、一旦離れよ。組合(ギルド)の奴が＿＿

あれ』


隣にいた筈なのに、いない。

というか、リンタロウさんの辺りにいた人達もいない。
敦くんもオレンジくんもいない。


マジかよ。


『嘘だろおい』


ガクッとその場に膝をつく。

行方不明者が2人になった。
ヘタに動けないじゃないか。


「A、如何したの？」

『どうしたも何も行方不明者が＿＿え』


勢い良く顔を上げる。
目の前には素敵な笑みを浮かべたエリスちゃん。


『...1人目、確保』


よかった、いた。

「はぁぁ...」と大きく息を吐きだす。
エリスちゃんは辺りを見渡した。


「リンタロウは？」

『組合(ギルド)の異能に捕まったっぽい』

「莫迦ね」


元を辿るとエリスちゃんのせいなんだけどね？

特に何をしたわけでもないのに、酷い疲労感に襲われる。


そんなのもお構いなしに、エリスちゃんは私の腕を引っ張り歩き始めた。


「あそこに美味しそうなクレープ屋さん見つけたのよ！食べましょ！」

『はいはい』


まぁリンタロウさんのことだ。それに敦くんもいる。
暫くしたら戻ってくるだろう。


はやくはやく、と言うように腕を引っ張るお姫様に、大人しく着いて行くことにした。




クレープ、何にしよう。

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