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彼は"専属"として私を雇ったグルッペンの意図を理解しきれていないようだ。ただ身の回りの世話をさせるだけであれば、わざわざドブ臭い地下で這い回っていた私に目をつけたりなどしないだろうに。
私と話しても無意味と悟ったらしいトントンさまは遠慮なしに深いため息を吐き捨て席から立つ。グルッペンの元へ行くのならば、とその背を追おうとすれば｢ここで待ってろ｣と睨まれてしまって仕方なしに足を止めた。なら勝手に掃除しておこう、どうせあの人は契約内容を変えたりしない。
｢お、そうだゾ。契約内容の変更は一切受け付けない｣
｢…………グルさん、ちょっと真剣に話し合わん？｣
｢無意味だ。お前が折れろ、トン氏｣
トントンさまが扉に手を掛けようとした時。それよりも先に向こう側から扉が押し開かれ、そうして何とタイミングのよいことか、元凶であるグルッペンが顔を覗かせた。
彼はずかずかと部屋へ押し入り、吹き抜けになっている窓を見て｢良いイカレ具合だろう？｣と愉しげに笑う。背後でトントンさまがどんなお顔をしているのか気づいてないんだろうか。笑っている場合ではないくらいの怒気に染まっておられるが。
｢よく来たな、A。早速手を焼いたか？｣
｢ごきげんよう、グルッペンさま。駄々っ子は嫌いじゃないですよ｣
｢だっ、……はあ。そもそもなんで勝手に契約してもうたんや、要らんって散々言うたやろ｣
｢必要だからに決まってるだろ｣
｢いいや、必要ない｣
｢そう言うな、トン氏。これは俺とAの契約、お前が口出しする権利はない｣
｢……勝手言うなや｣
確かに勝手だ、施しを受けるのはトントンさまだというのに。余所者に突然身の回りを任せるというのも不安だろう。しかしグルッペン、彼はこのファミリーのボスたる男だ。そんな男が結んでしまった契約はたとえ重役のトントンさまであろうとも覆せない。トントンさまの立場を思えば多少は可哀想な気もしてしまうが。
｢まあ、暫く様子を見てやってくれ。状況が改善されないとなればその時は俺も考えを改めよう｣
｢……｣
トントンさまはついに口を結ぶ。頑なに拒むのではなくほんの少しの譲歩を見せたボスに対しこれ以上の我儘は言えまい。丸く収まったようで何よりだが、この調子では中々苦労の絶えない毎日になりそうだ。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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