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｢帰りたいのは山々ですが既に契約は結ばせていただきましたので、手始めにぶちまけてしまったガラスの掃き掃除から始めさせていただきますね！｣
｢帰れ言うとんねん｣
ぴょんっと立ち上がって背負っていた自前の箒を手に取り早速掃除に取りかかれば、まるで意に介さない私をジリジリと睨むその男、トントンさまは余計に眼光を鋭くさせた。
｢話は聞いとるけど了承した覚えはない。働き口がなくなって困るって言うんなら俺より世話役が必要な奴らがおるからそっちに行ってくれ｣
｢契約内容はトントンさまの専属メイド、そういう訳で他の方のお世話は契約外です｣
｢俺には必要ない｣
｢トントンさまがまともに自己管理も出来ていないからグルッペンさまは私なんぞを雇ったのでしょう？ 現にほら、部屋は凄惨。顔色はゾンビのようだし、｣
箒を窓際に立てかけ、散らばったガラス片を避けながら彼の前に立つ。
｢ネクタイ、曲がっていますよ。男前が台無しです｣
首元に手を伸ばし、曲がっていた彼のネクタイをきゅっと正してやる。そうして笑ってやれば、彼は眉間の皺を余計に険しくさせて私の手をぱしん、と叩き落とした。しかし言い返す言葉もないのか、もごつく口元がちょっと可愛い。
｢困ったご主人さまですね｣
｢……余計なお世話やって｣
｢メイドを傍に置いて生まれるデメリットは何です？ 私には分かりかねます。まさかまさか女に甲斐甲斐しく世話を焼かれるのは御免だ、なんて餓鬼の矜恃でもって突っぱねている訳でもないでしょう？ ねえ？｣
｢あ、んた…ええ度胸しとんな、おい｣
｢やん、怒っちゃヤですよご主人さま！｣
ふるふる、肩を震わせ拳を握るトントンさまからするりと三歩距離をとる。散々コケにしておいて今更だが彼は悪名高いマフィアの一員、本気で怒らせたあかつきには命ひとつ持っていかれる可能性も大いにある訳で。
おふざけが過ぎるのも良くない、けれどどう説得したものか。あの人との契約を破棄、なんて選択はナシである。何せこの契約には互いに大きな利益があるのだから。
｢……なら俺がグルッペンに直談判してくる。俺やなくて別の奴につけろって。それならええやろ｣
｢"報酬"さえ変わらなければ他は些細な問題ですから私は構いませんよ。グルッペンさまがその申し出に快く頷くとは思いませんが｣
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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